2010年6月25日(金)「しんぶん赤旗」

国連総会議長 貧困削減呼びかけ

飢餓10億人 軍事費の無駄指摘


 【メキシコ市=菅原啓】南米ベネズエラを訪問中のトレキ国連総会議長は23日、首都カラカス市内で会見し、貧困削減をはじめとする「国連ミレニアム開発目標」達成のため、世界各国が努力するよう改めて呼びかけました。

 トレキ氏は、世界の10億人が飢餓に苦しみ、20億人が飲料水の入手さえ困難となっているなどの例を挙げて、世界は重大な問題に直面していると指摘。ミレニアム開発目標達成に努力するよう強調しました。

 さらに「軍備のために使われている費用は3兆ドル(約270兆円)にも達する」と述べ、軍事費の無駄を減らして社会開発に振り向けることが必要だと訴えました。

 会見には、ベネズエラ全国統計庁のエルフリ長官が同席。チャベス政権下で貧困人口の半減を2006年に達成するなど、同国がミレニアム開発目標のほぼすべてを超過達成しつつあることを説明しました。

 今年9月には、達成状況を検討する首脳会議が国連で開催される予定。トレキ氏は首脳会議準備の一環として、中南米を歴訪中です。


 国連ミレニアム開発目標 2000年9月に開かれた国連ミレニアム・サミットを受け、同年12月、従来の国際会議などの成果を統合し、共同の枠組みとしてまとめられた国際的な開発目標。発展途上国の持続的な開発に向けて、極度の貧困の半減や初等教育の完全普及、乳幼児死亡率の引き下げなど八つの目標があります。15年が達成期限。





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