2010年6月20日(日)「しんぶん赤旗」

消費税増税

やっぱり大企業減税穴埋めのため


 菅直人首相(民主党代表)が消費税率を今の5%から10%に引き上げることに言及しました。同内閣が策定した「新成長戦略」は法人税減税を明記しています。消費税増税は、はじまりも、実績も、これからも、結局、大企業減税の穴埋めという姿が鮮明になってきました。

はじまりも

 消費税ははじまりも、税収を大企業減税の穴埋めに充てるのがねらいでした。

 経団連の『五十年史』は、1986年8月22日の政府税制調査会の公聴会に出席した鈴木永二税制委員長(当時)が、減税財源として「(大型)間接税を導入すべきだ」と主張したことを誇っています。大型間接税とは現在の消費税のことです。減税とは所得税、法人税の大幅減税のことでした。

これからも

 自民党は消費税率を10%に引き上げることを参院選政策に掲げており、民主、自民は「消費税10%」で足並みをそろえようとしています。消費税を現行5%から10%に増税すれば、12兆円を超える国民負担増が押し付けられます。

 一方、直嶋正行経済産業相は、現在40%の法人実効税率の「25〜30%への引き下げ」を主張しています。仮に25%に引き下げると、そのことによる減収は9兆円に達します。消費税率4%分が大企業減税の穴埋めに消える計算になります。

 菅政権は、「強い経済」のためとして、大企業のための減税を打ち出し、その財源にほとんど使われてしまう「消費税10%」構想を打ち出す―あまりにも露骨です。

実績でも

 89年4月の導入以来、国民が納めた消費税額の累計は約224兆円に達します。

 一方、89年度の税収と比べた各年度の法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)の減収額累計は約208兆円です。

 消費税収はそっくりそのまま法人税の減収の穴埋めに用いられてきた計算になります。

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