2010年6月16日(水)「しんぶん赤旗」

南北共同宣言10周年

“戦争反対”掲げ集会

韓国 対話再開を呼びかけ


 韓国と北朝鮮が初の南北首脳会談で共同宣言を採択してから10周年を迎えた韓国で15日、市民団体や野党が“戦争反対”を掲げて南北対話再開を求める集会を各地で開きました。一方の政府・与党は、哨戒艦沈没事件を受け、北朝鮮への圧力を強める姿勢を変えていません。(面川誠)


 南北首脳会談は、金大中(キム・デジュン)政権時の2000年と盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の07年に開かれ、南北間の和解と協力を推進することで合意。開城工業団地の操業などの経済協力が進んだほか、21回の閣僚級会談、35回の軍事会談が行われ、緊張緩和に寄与しました。しかし、08年に発足した李明博(イ・ミョンバク)政権は北朝鮮の核開発放棄を優先、これに北朝鮮が反発し対話が中断しています。

 ソウル市内では市民団体と4野党が共同で記念集会を開催。野党第1党・民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は「李政権は北朝鮮を屈服させる非現実的な政策を追求し、南北関係を破たんさせた」と非難しました。

 野党側は、2日の統一地方選挙で与党が大敗したことから、「政府・与党の対北朝鮮強硬策は国民に拒否された」として政府の政策転換を求めています。

 これに対し、与党・ハンナラ党の金武星(キム・ムソン)委員長は15日、哨戒艦事件で北朝鮮を糾弾する国会決議に野党が賛成するよう要求。北朝鮮との交流促進のためには、核開発の放棄が先決だとの立場を改めて強調しました。

 金元大統領の側近で南北首脳会談の事前交渉に当たった林東源(イム・ドンウォン)元統一相はラジオ番組で、「ブッシュ前米大統領は、北朝鮮が核実験を行った後、強硬路線を転換して危機を機会に変えた」と指摘。現在の危機を打開するためには、「南北首脳会談を通じて解決を模索するのが最善の方法ではないか」と述べました。


 南北共同宣言 2000年6月15日の南北首脳会談で韓国の金大中(キム・デジュン)大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)労働党総書記が合意した文書。▽南北統一問題を民族同士で自主的に解決▽離散家族の再会など人道問題の解決▽経済協力を通じた民族経済の均衡的な発展―などを盛り込みました。





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