2010年6月14日(月)「しんぶん赤旗」
鞆の浦埋め立て見直せ
文化財保存全国協議会が決議
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広島県福山市の景勝地「鞆(とも)の浦」で開かれた文化財保存全国協議会の第41回大会で13日、鞆港埋め立て・架橋計画の見直しを求める決議が採択されました。
大会は11日から3日間開かれ、「文化的景観と開発見直し」をテーマに掲げた同日のシンポジウムに約100人が参加。現地実行委員会の鈴木辰夫事務局長は「鞆の景観を守ることは私たちの暮らしの歴史を守ることだ。広島地裁で勝訴でき、全国のみなさんの支援に感謝したい」と歓迎のあいさつをしました。
日本イコモス(国際記念物遺跡会議)国内委員会顧問の前野まさる氏が「世界遺産と文化的景観」と題して「鞆の浦の港湾と町並みの一体的歴史的遺産は、国際的に見ても素晴らしく、誇りを感じる」と講演。NPO法人「鞆まちづくり工房」の松居秀子代表は「子どもたちにつなぐ文化的景観―世界遺産訴訟のもたらしたもの―」と題して報告しました。
シンポジウムで採択された決議は、12日の遺跡見学会について「この地に受け継がれた古代・中世・近世・近代に及ぶ遺跡群から、多くの感銘を受け」たとのべ、2009年10月1日に埋め立て免許の差し止めを求めた広島地裁判決を尊重し、広島県が控訴を取り下げるよう求めています。
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