2010年6月10日(木)「しんぶん赤旗」

保育所定員増でも 待機児急増に追いつかず

3政令市で最多

神奈川


 神奈川県の2010年度の保育所待機児童数は前年度比872人増の4117人で、横浜、川崎、相模原の3政令市で過去最多になりました。3市は保育所新設や定員増で対応するとしていますが、現在の計画の規模では追いついていない実態が浮き彫りになっています。

 横浜市は09年度から262人増の1552人となり、過去最多を更新。08年度に引き続き全国最多です。市は10年度に認可保育所整備や定員外入所などで計2103人の受け入れ枠増を計画していますが、日本共産党横浜市議団は「この水準では事態打開の決め手になりえない」と市長に申し入れを行い、増設促進の緊急対策を求めています。

 川崎市は09年度から363人増の1076人と1・5倍化しました。市は09年に「保育緊急5か年計画」を改訂し、「毎年1000人ずつの増加を見込み、3年間で3000人の定員増を図る」としました。しかし10年度の入所申請者は市の予測を大幅に上回る1648人となり、予測数の見直しを求める声が上がっています。

 10年度から政令市となった相模原市は75人増の514人。しかし、計画では保育所3カ所新設するなど360人の定員増にとどまっています。

 育児休暇中で8月に職場復帰予定の川崎市の女性(37)は「昨年引っ越してきましたが、まさかこんな状態とは。育休を延長せざるをえません。市は保育所の設置基準を緩めて対応する方針もあるようですが、保育の質が落ちてしまう。どこでも質の良い保育が受けられるよう認可保育所をたくさんつくってほしい」と訴えています。





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