2010年6月8日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「the shadow shogun」。直訳すると影の将軍。英国の経済誌『エコノミスト』は、鳩山政権誕生直後の2009年9月12日号で、民主党の小沢一郎氏をこう評しました▼同誌は、小沢氏が「見えない場所から権力をふるう方法」を学んだ「最も腐敗した」政治家として田中角栄元首相をあげyami shogun(闇将軍)と呼んでいます。日本の“伝統的”政治手法は、海外でも知られていたようです。しかし、小沢幹事長が影響力をふるった鳩山政権は、1年と持ちませんでした▼菅直人新首相は、小沢氏と距離をおくことを売り物にしています。そのことと鳩山氏の辞任をもってして、沖縄・普天間基地や「政治とカネ」の問題が免罪されるともくろんでいるのでしょうか▼菅首相が「クリーンな政治を追求する」というなら、小沢氏の証人喚問実現が最小限の試金石です。鳩山氏の疑惑もあいまいにできません。どちらも未解明なことだらけです▼田中元首相が権勢をふるっていた時代を知る自民党のベテラン議員から、こんな反省の弁を聞いたことがあります。「『角栄支配』が長く続いたのは、結局、自民党自体が清潔な政治を目指すことに不熱心だったから。そういうことが積み重なって国民の信頼を失った」▼これは、今の民主党にも当てはまる教訓です。アメリカや財界にモノを言えない、という同党の旧態依然の体質は、根っこでは政治腐敗とつながります。これが変わらない限り、「闇将軍」はまた息を吹き返してくるでしょう。





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