2010年5月30日(日)「しんぶん赤旗」

「核兵器のない世界」にむけた重要な一歩前進

NPT再検討会議の最終文書について

志位委員長が談話


 28日閉幕した核不拡散条約(NPT)再検討会議の最終文書について、日本共産党の志位和夫委員長は29日、次の談話を発表しました。


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 一、NPT再検討会議は、28日、全会一致で採択された最終文書で、「核兵器の完全廃絶に向けた具体的措置を含む核軍備撤廃」に関する「行動計画」にとりくむことで合意した。

 最終文書の「行動計画」は、2000年の再検討会議で確認された「核兵器の完全廃絶を実現するという核兵器国の明確な約束を再確認する」と明記している。

 また、最終文書の「行動計画」は、「すべての国が、核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう必要について確認する」と明記している。とりわけ核兵器国にたいして、核兵器廃絶への「いっそうの取り組み」、「具体的な進展」を求めている。

 これらの確認は、「核兵器のない世界」にむけて、重要な一歩前進である。

 一、再検討会議の過程では、5月14日、第1委員会(核軍縮)の報告草案として、「核兵器の完全廃絶のための行程表(ロードマップ)を検討する国際交渉の開始」という方向が打ち出された。この内容は、一部の核兵器保有国の同意が得られず、最終文書には盛り込まれなかった。しかし、こうした内容が交渉の経過で提起され、多くの国によって支持されたことは、世界の変化を反映した画期的な出来事である。それは、核兵器廃絶交渉の開始を求める声が世界の大勢となっていることを証明するものである。

 この声が世界の大勢であることは、最終文書での、「本会議は、核兵器のない世界の達成に関する諸政府や市民社会からの新しい提案およびイニシアチブに注目する」、「核兵器禁止条約の交渉の検討を提案している潘基文(パンギムン)国連事務総長の提案に注目する」、「加盟国の大半は、こうした(核軍備削減・廃絶の)法的枠組みは具体的な日程を含むべきであると考える」などの言及にも反映された。

 一、わが党は、NPT再検討会議にたいして、(1)2000年の再検討会議で確認された「核兵器の完全廃絶を実現するという核兵器国の明確な約束を再確認する」こと、(2)「核兵器廃絶のための国際交渉を開始する合意をつくる」こと――という二つの要請をおこない、可能な最大限の力をつくした。日本と世界のNGOとともに、わが党がすすめた活動は、NPT再検討会議が、重要な一歩前進の結論を出すうえでの、貢献となったと考える。

 一、最終文書で、国際社会が、「核兵器のない世界」の達成のために「必要な枠組みを確立する」ための「特別な取り組み」をおこなうことを確認した以上、今後は、その具体化と実行が強く迫られる。

 わが党は、日本と世界の反核平和運動と共同し、「核兵器のない世界」にむけ、核兵器廃絶交渉のための国際交渉をすみやかに開始することを、ひきつづき強く求めて奮闘するものである。





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