2010年5月18日(火)「しんぶん赤旗」

富山 朝日町に共産党員町長

ワンマン町政 退場

脇さん候補者カー 議長も同乗


 富山県朝日町長選は16日に投開票され、前日本共産党町議の脇四計夫(しげお)氏(69)=「朝日町を明るくする会」=が、7期目をめざす現職の魚津龍一氏(63)=自民・公明・国民新推薦=を破り、初当選を果たしました。日本共産党員首長は全国で9人目です。(大星史路)


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(写真)当選後、役場前で握手する脇四計夫氏(右から2人目)と(左から)数家登氏、舘(たち)長久党町委副委員長、(1人おいて)中陣將夫町議会議長=17日、富山県朝日町

 脇氏の勝利は、得票が現職を1170票も上回る大差でした。「町を変えてほしい」という町民の強い願いがあらわれました。

 「ワンマン町政」といわれた現職町長。“町民の声を聞かない”“請願署名した人を町長が訪問調査させ圧力をかける”など「恐怖政治だ」という人もいるほどです。一方、県内の町で一番高い町長給与にも、住民の不満がたまっていました。

 脇氏は、「明るく風通しのよい町政に」をスローガンに、総合病院の医師・看護師の確保、学童保育の実施など住民の要望を公約に掲げました。

 脇氏は、「自由にものがいえる開かれた町政にしたい。これが民主主義だ」と、町民が託した願い実現に全力をつくす決意を語りました。

 「明るくする会」の数家(かずいえ)登代表(75)は「保守の強い町で、私たちのような無党派と自民党や保守の人たち、共産党が初めて協力できた。『町民党』としてひとつにまとまった」と町長選を振り返ります。

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 現職の町議をしていた脇氏に立候補を要請した数家代表は、「現職町長に堂々とものがいえるのは脇さんしかいなかった。仕事ぶりも人の話を親身に聞く誠実な人柄も抜群だ」と話しました。

 朝日町議会の中陣(なかじん)將夫議長は、「脇さんは共産党だが、自民党、民主党があの体たらくの中、その人物の評価は高い」と語りました。中陣議長は、選挙中、候補者カーに一緒に乗り込んで支持を訴えました。

 当選が決まった開票日の脇氏の事務所には、泊漁業協同組合の脇山正美組合長(49)も駆けつけ、「海の環境問題や水揚げ高が減少していることを聞いてもらえるところができた」と喜びました。

 選挙最終盤には、相手陣営から「共産党町政にするな」という露骨な反共攻撃が電話や街頭からおこなわれました。しかし、従来型の攻撃は朝日町民には通用しませんでした。

 脇陣営の手の届かないところで支持を広げる動きが広がっていました。「娘が、働いているスーパーの友人に脇さんの支持を広げていた」。こんな話があちこちで生まれていました。

 脇氏は、「住民のみなさんの声を大切にして、朝日町の政治を変えていきたい」と抱負を語りました。





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