2010年5月10日(月)「しんぶん赤旗」

ナチス虐殺 忘れない

ドイツに展示資料館

親衛隊本部の跡地に建設


 ナチス・ドイツによる虐殺や暴力を忘れてはならないと、欧州の第2次世界大戦終結65周年を前にした7日、ベルリンで「トポグラフィー・デス・テロルズ(恐怖政治の地誌)」と名付けられた新しい展示資料館が一般公開されました。

 かつての秘密警察ゲシュタポやナチ親衛隊本部の跡地に建設されたこの資料館は、ユダヤ人のホロコースト(大量虐殺)のほか、ロマ(ジプシー)や政治囚、ロシア人捕虜への残酷な仕打ちなど、被害者側の資料だけでなく、ナチス・ドイツの組織機構など加害者の側の資料も豊富に展示しています。

 だれでも加害者になりうるという認識に立って、国家や社会がどのようにして加害者を生み出していくかを解明し、共通認識にしようとするものです。

 ドイツの東西分断で長い間、放置されたままだった跡地を記念館にしようと、1970年代から市民運動が動き出しました。90年代に野外での資料展示が始まり、2004年に展示資料館計画が具体化。約6年の年月と220万ユーロ(約2億6000万円)の費用をかけ、完成にこぎつけました。

 一般公開に先立って催された6日の開館式では、ケーラー独大統領が「この場所ほどナチスの犯罪と結びついた場所はほかにない」として、「過去との対話はわが国の自己理解の基本であり、特に若者の学びの場となることを望む」と語りました。

 また、ベルリンのウォーベライト市長は「この町でのナチスのテロの記憶を新たにする記念碑がさらに追加された」と述べ、その意義を強調しました。(片岡正明)





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