2010年5月9日(日)「しんぶん赤旗」

英総選挙

保守 自民に連立呼びかけ

選挙制度改革が焦点

協議は難航の可能性も


 【ロンドン=小玉純一】6日投票の英総選挙で第1党となった保守党のキャメロン党首は7日、第3党の自由民主党に連立政権協議を呼びかけました。キャメロン党首と自民党のクレッグ党首は同日、電話で協議。自民党は8日以降、党内で検討するもようです。

 敗北し第2党となった労働党のブラウン首相は7日、保守党と自民党との連立合意がまとまらなければ、労働党が自民党と協議する用意があると述べました。

 キャメロン党首は自民党との連立について、▽欧州連合(EU)、移民、防衛問題では政策が異なる▽他の多くの分野で共通の土俵がある▽政治と選挙制度改革について全政党による調査委員会が必要▽連立政権は財政赤字を制御し経済破綻(はたん)を回避しなくてはならない―などと言及。そのうえで「強力で安定した政府が早急に必要だ」と強調しました。

 現行の単純小選挙区制については、保守党は維持、自民党は見直す立場で対立しています。キャメロン党首が全政党の選挙制度改革の調査委員会について言及したのは、小選挙区制問題での立場の違いを連立の障害としないためと思われます。

 自民党のクレッグ党首は選挙中に、選挙制度改革について「新政権の最初に必要な措置」と述べ重視していました。連立協議は難航する可能性があります。


保守306、労働258、自民57 確定議席

 【ロンドン=小玉純一】英総選挙(単純小選挙区制)の開票の結果、候補者が死亡し27日に投票が行われることになった1選挙区を除く649議席が確定しました。(別表)

 第1党の保守党が306、労働党が258、自民党が57となり、どの政党も過半数議席326に届かない事態となりました。36年ぶりのことで、保守党と労働党が政権交代を繰り返してきた英国では異例です。

 なお、総議席は前回646議席で、今回は4議席増の650議席となっています。

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