2010年5月1日(土)「しんぶん赤旗」

医療費の減免訴訟勝利

秋田地裁 市の不承認を取り消し


 秋田県仙北市の角館生活と健康を守る会の会員、千葉秀喜さん(47)が、国民健康保険一部負担金の減免申請を不承認とした同市の処分の取り消しを求めた裁判の判決言い渡しが30日、秋田地裁であり、鈴木陽一裁判長は「不承認処分を取り消す」と原告勝訴の判決を下しました。

 原告代理人の三浦広久弁護士は、記者会見で、国保の被保険者が窓口で支払う医療費の減免申請をめぐって「行政の不承認処分が取り消されたおそらく全国で初めての判決。画期的だ。県内、全国に大きな影響を与える」と話しました。

 千葉さんは、同市角館町の桜皮(かば)細工職人。2006年に家業を手伝っていた実母が倒れて入院、生活に困窮していた千葉さんは、医療費を支払えないとして減免を申請しました。

 同市は、取扱要領の(1)本人の失業等でない(2)本人の減収割合が2分の1を超えない―に該当しないを理由に不承認にしました。

 判決は、「原告世帯の収入が生活保護基準の70・1%まで落ち込んでいる事実を考慮に入れず」「該当しないのみを理由に不承認とすることは合理性を欠く」と判断し、「国保法44条の趣旨をないがしろにするもので、裁量の範囲を逸脱した違法なもの」と断じました。





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