2010年4月23日(金)「しんぶん赤旗」

12億円使途 ヤミの中

鳩山首相 「説明する」翻し沈黙

元秘書有罪判決


 長年にわたって、鳩山由紀夫首相の政治資金を一手に扱ってきた元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)に22日、禁固2年、執行猶予3年という有罪判決が言い渡されました。首相は前日の党首討論で、「昨年6月に解雇して、それ以来、一切の連絡を取っていない。したがって、完全に独立した個人の話」などと“予防線”を張りましたが、みずからの政治資金の問題で、こんな言い訳は通用するのか―。(「政治とカネ」取材班)


 首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)をめぐる偽装献金事件の核心は、母親から提供された巨額資金がいったい、何に使われたのか、ということです。

 判決によると、実際には寄付を受け取っていない「故人」を含む個人献金、パーティー券収入の水増し、記載義務のない年間5万円以下の個人献金など、虚偽記載の総額は約4億円にのぼります。

 母親と首相の個人資産計約15億8000万円から、これら虚偽記載を補てんした差額約11億8000万円の使途の全容を明らかにすることが求められています。(図参照)

 首相自身、3月3日の参院予算委員会で、「(秘書の)裁判が終わったら説明する。いいかげんに済まそうというのではない」とのべていました。

 母親からの資金提供は、首相が民主党代表選に出馬した2002年夏から始まっています。首相は、同年9月に鳩山グループ「政策公約を実現する会」(現・政権公約を実現する会)を旗揚げし、毎年、軽井沢のホテルで「合宿研修」を実施するなど、活動してきました。

 しかし、「実現する会」は政治団体の届け出を行っておらず、首相の座に登りつめるまでにいたった勢力拡大に、どういうカネが、どんな規模で使われたかは一切不明です。

 わずかに、友政懇の政治資金収支報告書(03〜08年)には、07、08両年に平野博文官房長官ら民主党21議員への資金提供が計5500万円記載されています。ところが、08年10月に寄付を受けながら、みずからの政治団体に記載していなかった2議員が、今年2月に訂正するなど、議員の側に、首相側の献金を「裏金」と認識していた可能性も指摘されています。

 判決が指摘したように政治資金規正法の目的は、「政治資金の収支を国民の前にガラス張りの状態にして、その政治活動を国民の不断の監視と批判の下に置くことにより、政治活動の公明を確保」することにあります。

 一身同体ともいうべき側近が、虚偽記載や不記入を繰り返し、実態とかけ離れた収支報告書を提出していた責任は、首相自身、厳しく問われなければなりません。

図

資料提出には消極的な意向

鳩山首相

 鳩山由紀夫首相は22日夜、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元公設第1秘書勝場啓二被告が有罪判決を受けたことについて、首相官邸で記者団に「政治家としての責任を痛感している。国民にも改めておわびしたい。このことは一生の戒めとしたい」と述べました。

 これに先立ち、首相は衆院本会議で、検察に任意提出した関係資料の国会提出について「プライベートな部分は必ずしも公表する必要はない。提出資料は検察がすべてを調べ、その上で処分を下したと理解している」と述べ、消極的な意向を重ねて示しました。ただ、「国会のしかるべき場で議論して、決定していただきたい」と述べ、国会が決定すれば従う姿勢も示しました。





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