2010年4月18日(日)「しんぶん赤旗」

奇妙な人脈 鳩山資金

「自由に使える」カネの流れ

首相元秘書公判で鮮明 22日判決


 鳩山由紀夫首相の元秘書の政治資金規正法違反事件の判決が22日に言い渡されます。裁判のなかで、鳩山首相、鳩山家をめぐる奇妙な人脈が浮かび上がりました。(「政治とカネ」取材班)


 3月29日に開かれた元公設第1秘書、勝場啓二被告の初公判。起訴事実などを争わず、即日結審となりましたが、検察側の冒頭陳述と、首相側も証拠採用に同意した関係者の供述調書によって、首相が母親から資金提供を受けるにいたった経緯が明らかになりました。

重なる人物

 (1)勝場被告は、2002年ごろ、首相の東京事務所の財政が苦しいと、「鳩山家と近い立場にある」川手正一郎氏に相談(2)川手氏から相談された首相の母親は、毎月1500万円の資金提供を承諾(3)母親は個人資産から側近の「ゼフィルス」社長の武田紀念男氏を介して、首相が「自由に使える資金」として、勝場被告に渡していた―。

 川手氏は、首相の母親が名誉会長、首相が理事長(休職中)、副理事長が鳩山邦夫元総務相という財団法人「日本友愛青年協会」の常務理事。「友愛政治連盟」という政治団体の代表も務めています。

 首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」には、毎年150万円の献金をしています。

 ゼフィルスの武田社長は、邦夫氏の元政策秘書で、日本友愛青年協会の理事にも名前を連ねています。

 一方、「損害保険代理業務」などを目的に掲げるゼフィルスは、鳩山邦夫事務所があった東京都文京区本郷の鳩山ビル内に入居している株式会社(資本金8000万円)。川手氏も取締役です。

会社に借金

 邦夫氏の関連政治団体「新声会」の政治資金収支報告書によると、04〜06年の3年間は毎年、3000万円を同社から借り入れ、同年中に返済することを繰り返しています。07年には、1月10日、4月26日に各3000万円、11月6日に5000万円の計1億1000万円を借り入れ、12月10日に3000万円を返済、直近の08年の報告書には同社からの8000万円の借入金が「資産」として記載されています。

 ゼフィルスの監査役は、民主党の樋口俊一衆院議員の公設第1秘書です。

 母親から鳩山首相、邦夫氏に巨額な資金が提供されていましたが、それは、鳩山家をめぐる奇妙な人脈のなかで、マネーロンダリング(資金洗浄)されていたという構図が浮かび上がりました。

 22日の判決を前に、首相は16日、地元北海道の後援者との懇談会で、「来週あたりにすべて決着」とのべました。しかし、政治的道義的責任はまったく果たしていません。

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