2010年4月8日(木)「しんぶん赤旗」

洋麺屋五右衛門に残業代支払い命令

東京地裁 バイトの働かせ方悪質


 日本レストランシステム(東京都渋谷区)が全国で約190店を展開するパスタチェーン「洋麺(めん)屋五右衛門」のアルバイト店員が、「変形労働時間制」の不当な適用で支払われなかった残業代などを請求した訴訟の判決が7日、東京地裁でありました。藤井聖悟裁判長は、変形労働時間制を無効とし、未払い残業代、懲罰的損害金などあわせて12万3千円を支払うよう命じました。

 提訴していたのは、首都圏青年ユニオンに加入する男性(28)。2004年7月〜09年3月まで4年8カ月、五右衛門錦糸町テルミナ店を中心に、調理・接客業務に従事していました。

 変形労働時間制は、季節によって繁忙に差がある業種に対応し、就業規則の規定や書面による協定が必要です。

 判決は、変形労働時間制について定めた労働基準法を順守しておらず、「変形労働時間制の適用があることを前提とする被告の主張は採用できない」と認定。2年の賃金請求権の消滅時効にかかわらない07年5月以降の未払い残業代を支払うよう命じました。

 さらに、「十分な資料根拠に基づかずに変形労働時間制の主張を行ってその支払いを拒絶してきている」と悪質さを認め、労基法に基づく懲罰的損害金である付加金を3万7千円加えました。

 勝利判決報告集会で、男性は、「完全勝利できてうれしい。働いている人が報われる社会にしたい」と述べました。

 笹山尚人弁護士は、「アルバイトの人件費を抑えるため、時給をきちんと払わない企業が多いなか、違法な運用は許されないと判断した判決の意義は非常に大きい」と指摘しました。





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