2010年4月4日(日)「しんぶん赤旗」
司法改革 市民と共に
弁護士ら集会 変化の芽生かそう
宇都宮・日弁連会長があいさつ
主婦連合会や自由法曹団、各地の公害訴訟原告団などでつくる「司法に国民の風を吹かせよう」実行委員会(風の会)の結成10周年を記念する集会が3日、東京都内で行われ、約100人が参加しました。
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集会は「『司法改革』を検証する」と題して行われ、1日に日本弁護士連合会会長に就任した宇都宮健児弁護士も参加しました。
あいさつに立った宇都宮氏は、この間の司法改革に触れ、「検証の視点は、市民の目線で、とりわけ経済的、社会的弱者の視点から検証していくべきだ」と話しました。
今後の日弁連の取り組みとして、宇都宮氏は「メーンスローガンは『市民目線に立った第2次司法改革』。市民運動や消費者運動、労働運動と一緒になって前進させなければならない」とのべ、貧困問題に強い意欲を示しました。
集会では、弁護士5人が、それぞれの取り組みを紹介しました。
国公法弾圧堀越事件弁護団の加藤健次弁護士は、ビラ配布弾圧事件について報告。
同事件で、東京高裁が逆転無罪判決を出したことについて「一連の言論弾圧事件で、表現の自由を守る立場から無罪判決が出たのは初めてだ。日本の司法に変化の芽が出ているといえる」と、評価しました。
また、「今回の判決があっても言論表現の自由について、裁判官の認識は希薄。権利を定着させるためにもビラ配布の権利を行使していくよう呼びかけたい」と訴えました。
自由法曹団の鷲見賢一郎幹事長は「非正規労働者の権利と労働者派遣法の抜本改正は表裏の関係。今の政府の『改正』案では不十分だという世論をつくり、大きな前進を勝ち取りたい」とのべました。
高橋宏弁護士(自由法曹団神奈川支部幹事長)が日米安保条約と米兵犯罪について、土橋実弁護士(全国市民オンブズマン連絡会議代表幹事)がオンブズマン活動や住民訴訟について、原希世巳弁護士(東京大気裁判弁護団事務局長)が大気汚染裁判と和解後の取り組みについて報告しました。
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