2010年4月1日(木)「しんぶん赤旗」

ホンダ、有休取得で手当減

年20万円超も 労働基準法違反


 自動車、バイク大手のホンダが有給休暇を取得した労働者の給与を労働基準法に反して不当に減額していることがわかりました。不払い総額は直近2年間だけで数億円にのぼるとみられます。

 不払いになっているのは昼夜2交代、3交代で働く労働者への「交代制勤務手当」と、午後10時から午前5時までの勤務に支払う「深夜業手当」です。正社員、非正規労働者ともに有休を取得した期間の手当を給与から差し引いています。

 ホンダは工場で交代制を始めた1961年から交代制勤務手当を有休取得期間に対して払っていません。深夜業手当も支払ったことはないといいます。

 不払い額は2交代で働く中堅正社員が1勤(早朝―夕方)、2勤(夕方―深夜)を10日ずつ計20日休んだ場合、年間約5万円です。3交代で3勤(深夜―早朝)を集中的に休むと年間約20万円を超える人もいる計算です。

 厚生労働省は「勤務すれば払われる手当を有休取得期間に払わない行為は労働基準法に抵触する可能性が極めて高い」(労働基準局監督課)と指摘します。労働基準法(39条)は有休取得期間の賃金を、過去3カ月間の平均賃金または所定時間働いた場合の賃金と定めています。

 ホンダは「厚労省とホンダの法解釈は異なる。手当は勤務を条件に払う付加的なもので通常の賃金に含まれない」(本社広報)と説明。一方、今後の支払いについては「指摘を踏まえ本社内で慎重に検討したい」としています。

 同様の事例をめぐっては、日本郵政公社による違反を郵政産業労働組合が追及。日本郵政は05年、深夜勤務が常態化している非常勤職員の深夜割増賃金の不払いを是正し、未払分を5年間さかのぼって支払いました。





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