2010年3月17日(水)「しんぶん赤旗」

横須賀・米原子力空母の整備 放射能管理作業伴う

井上議員追及に 政府、従来答弁覆す


 米海軍横須賀基地(神奈川県)で実施されている米原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)の定期整備について岡田克也外相は16日、「燃料(棒)交換と原子炉の修理は日本国内で行わない」と述べながら、「それら以外の放射能管理を必要とする作業が、艦内において行われることは排除されていない」と答弁しました。


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(写真)質問する井上哲士議員=16日、参院外交防衛委

 同日の参院外交防衛委員会で日本共産党の井上哲士議員に答弁しました。これまで外務省が、GWの定期整備は「放射能の管理を必要としない通常のメンテナンス」(2009年3月24日、外務省の梅本和義北米局長の答弁)と説明してきたことを覆すもの。政府は虚偽答弁していたことになります。

 井上氏は、同基地でGWの定期整備を行う米ピュージェット・サウンド海軍造船所分遣隊の任務を定めた06年5月の米海軍の指示文書が「放射能管理の確保に責任を有する」と明記していることを指摘し、これまでの外務省答弁と矛盾すると追及しました。

 放射能管理を必要とする作業を容認した岡田外相の答弁に対し、井上氏は「市民が知らない間に横須賀港が放射能管理を恒常的に行う港に変えられているということだ」と批判しました。

 井上氏はまた、米海軍が今年4月に放射性廃棄物を収めたコンテナをGWから運搬船に移し替えようとしていることについて、放射能に汚染された物質を外国の港では排出しないとする日米両政府間の「エードメモワール」(覚書、1964年)に反するのではないかとただしました。

 岡田外相は「(放射性廃棄物の)陸揚げを伴わないことからこの(覚書の)範囲内だ。解釈の問題だ」などと答弁。井上氏は「(覚書には)陸揚げのことはまったく書いていない。明らかに覚書に反する。多くの市民は不安に思っている。情報を明らかにし、必要な検証をするまでは修理や放射性廃棄物の搬出の中止を求めるべきだ」と強調しました。



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