2010年3月15日(月)「しんぶん赤旗」

暮らし安心の新しい京都へ門開こう

門氏勝利で3つの転換

府知事選 志位委員長訴え


 14日に京都駅前(京都市)で行われた街頭演説で日本共産党の志位和夫委員長は京都府知事選の争点に言及し、門ゆうすけ氏の勝利を訴えました。

 志位氏は、府知事選の争点は「すでにはっきりしている」と指摘。現知事の選挙母体の名称が「活力ある京都をつくる会」から「希望の京都をつくる府民の会」に変更され「活力」の看板を下ろしたのは、京都の活力をつくれないと自分で認めたものだと述べました。門氏が提案する「新たな門を開く3つの転換」こそが府民の命と暮らしを守り、京都経済を立て直す道だと語りました。

 転換の第一は、福祉そっちのけの知事にお引き取り願い、「住民福祉の機関」を取り戻すことです。

 京都市の国保料は所得300万円の4人家族で年44万500円。国会で小池晃政策委員長が鳩山由紀夫首相に「相当高い」といわせた高額です。大本には国庫負担の削減がありますが、府独自の国保補助金7億円をゼロにして拍車をかけたのが現知事です。

 都道府県立病院をつぶしたのは京都府と東京都だけ。小児慢性特定疾患や難病で苦しむ人への見舞金も廃止しました。「治療が長期間にわたるため、医療費の負担も高額になり、放置すれば児童の健全な育成を阻害する」として支給されていた見舞金を廃止するとは「血も涙もないやり方ではないか」と志位氏は批判。国保料引き下げ、小学校卒業までの医療費無料化、地域医療再生の課題をあげて、「門さんで、京都の福祉を立て直そう」と力を込めました。

 転換の第二は、破たんした大企業呼び込み方式をやめて、雇用と中小商工業を守り、京都経済を立て直すことです。

 現知事は「規制緩和で強い者が勝つ。その中で税収をしっかり確保する」として、「強い者」=大企業を呼び込み、応援すれば、京都は活性化し、税収も増えると主張してきました。しかしその結果、わずか3年間で税収は約3割、1000億円も減りました。

 企業誘致補助金の限度額を1社あたり5億円から20億円に増やし、大企業などに71億円もつぎ込みましたが、増えたのは非正規雇用ばかり。リーマン・ショック以降、府の誘致補助金を受けた村田製作所などの企業が次つぎ「非正規切り」をすすめています。

 中小企業や商店への予算は4億1500万円も削減し、非正規雇用の割合(40%)も事業所の減少率も、京都府は全国ワースト2位です。

 志位氏はこうした失政を告発し、「門さんで、京都経済を立て直そう。大企業応援から、雇用と中小商工業、伝統・地場産業を守る府政に転換しよう」と強く訴えました。町工場などへの固定費補助は、国への要求とともに府の制度として実行しようと強調。中小企業振興基本条例を制定して本腰を入れて支援することの重要性を訴えました。

 転換の第三は、国いいなりの府政をやめて、「住民が主人公」の地方自治を貫くことです。

 現府政は「悪い政治の下請け機関」になってきたと志位氏は指摘しました。

 国保料滞納者からの保険証取り上げでは、国の言う通りに取り上げるよう市町村に通達。近畿6府県で京都府しか出していない通達です。病院で医療費全額を払わされる資格証が約5千世帯に発行されています。

 市町村合併の押し付けには最も熱を入れて取り組み、44あった市町村を26にまで減らして地域経済の崩壊や行政サービスの低下を招きました。

 志位氏は「門さんで地域経済を立て直そう」と呼びかけました。

 最後に志位氏は、「府民だれもが安心して暮らせる新しい京都の門を開きましょう。『日本の夜明けは京都から』。京都から門候補の勝利で『国民が主人公』の新しい日本への門を開きましょう」と訴え、大きな拍手に包まれました。



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