2010年2月26日(金)「しんぶん赤旗」

志位委員長が会見

中南米・カリブ海地域 新機構

世界史的意義もつ動き


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(写真)記者会見する志位和夫委員長=25日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は25日、国会内で記者会見し、中南米・カリブ海統一首脳会議(23日)が開かれたことについて、「ラテンアメリカ諸国がすべて参加する機構が生まれるというのは、世界史的な意義をもつものだ」と表明しました。

 志位氏は、「これまでアメリカの裏庭といわれてきたラテンアメリカで、まさに自主自立、平和的共同の方向への流れが一歩大きく前進した」と指摘。米国に批判的な国だけではなく、親米的な国も入った機構が、米国ぬきで独立独歩の歩みをしていくことを世界に示した動きだと強調しました。

 その上で、24日に駐日キューバ大使と会談したことを紹介。昨年10月の国連総会では、対キューバ経済制裁を不当とする決議が187カ国という空前の圧倒的多数で採択されたとし、ここにも世界的な流れをみることができると述べました。

 志位氏は、アジア、アフリカなどでも非軍事の平和的な共同の流れが広がっていると指摘し、「そういう世界全体の流れをみると、日米軍事同盟というものの存在の異常さが、いよいよ浮かび上がってくる」と強調しました。

国会対応、自民も民主も問題

 志位委員長は会見で、審議拒否を続けていた自民党が提出した横路孝弘衆院議長の不信任決議案と松本剛明衆院議院運営委員長の解任決議案について問われ、「与党側の対応にも問題があるが、自民党の決議案も国会の民主的運営を真剣に願ってのものとは到底いいがたい」と反対の態度を表明しました。

 志位氏は、「両決議案に反対するのは、不信任・解任の理由がないからだ」と指摘。「決議案は、自民党が、道理のないボイコットをやめて審議に復帰するためのセレモニーとして出したにすぎない」と批判しました。

 同時に志位氏は、「私たちはもちろん、この間の与党の対応にも強い批判をもっている」と強調。民主党が、同党の小沢一郎幹事長に対する証人喚問などの要求を拒否していることについて、「国民が到底納得し得ないものだ」と述べました。

 志位氏は、「小沢氏は、検察がシロと認定したというが、『嫌疑不十分』であって、政治的道義的責任の問題についての究明は国会の責務として残されている。検察の捜査を批判していた人が、自分の不起訴が決まると、今度は検察がシロといったという。こんなご都合主義もない」と批判しました。

 その上で、志位氏は、「与党の対応も非常に問題だが、自民党のボイコットというやり方は結局、『政治とカネ』の問題でも本当の意味での真相究明や解決につながらないし、国民が願っている暮らしや平和の問題について国会が責務をはたして解決策を見いだすことからいってもとるべき態度ではない」と述べました。


天皇「公的行為」政府見解について

憲法原則の厳守求める

 志位委員長は会見で、政府が天皇のいわゆる「公的行為」についてルールを設けないとする見解をまとめたことについて問われ、「天皇の政治利用を許さないという原則を厳格に貫くことが必要であることから見て、問題がある」と指摘しました。

 志位氏は、天皇の国事行為以外のいわゆる「公的な行為」がかりにある一定の範囲であるにしても、憲法第4条が規定している「天皇は政治的権能を有さない」という大原則が厳格に守られなければならないと強調しました。

 にもかかわらず、戦前の帝国議会を踏襲する形式で、天皇を国会の開会式に出席させるなど、戦後、この「公的な行為」なるものの範囲が広げられ、政治的に利用されてきたことを批判しました。

 志位氏は、日本共産党が国会の開会式に欠席してきたことにもふれながら、「政府見解は、政治的利用の歯止め、それを許さないことがあいまいなものになっている」と述べました。



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