2010年2月26日(金)「しんぶん赤旗」

米公聴会 「急加速報告を無視」と批判

豊田社長は“設計問題ない”


 【ワシントン=西村央】米下院監視・政府改革委員会は24日(日本時間25日)、トヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題の公聴会を開催しました。同委員会のタウンズ委員長は、公聴会の開催にあたり「トヨタ自動車は、急加速問題の報告について無視、あるいは過小評価してきた」とトヨタ自動車の対応を厳しく批判しました。公聴会に出席したトヨタ自動車の豊田章男(とよだあきお)社長は「意図しない」急加速の原因とされている電子制御システムの欠陥問題については、「設計上の問題はないと確信している」と述べました。


 2009年8月には、米国内で急加速による死亡事故が起きていたにもかかわらず、豊田社長は「(急加速を知ったのは)昨年末あたり」としました。また、一部車種のフロアマット回収のためのリコールを行った際、米当局と交渉で1億ドル(約92億円)以上を節約できたとする文書を示された豊田社長は、「新任の北米トヨタ社長への説明資料の一部と理解しているが、書かれた背景が分からないので答えられない」と無責任な対応を示しました。

 これまでの事故や車の不具合での対応の遅れなどについては、「生産の拡大のスピードに人材の成長が追いついていなかったと認識している」と述べました。

 電子制御問題について豊田社長は、「社内でテストした限りでは誤作動は見つかっておらず、設計上の問題はないと確信している」と述べる一方で、改善に向けた透明性を重視すると指摘。「業界全体として解決できないものか。オープンな方法でトヨタも協力してまいりたい」と表明しました。

 これまで米各地で、「意図しない」急加速や暴走が原因で死亡事故が起きていることについて、豊田社長は謝罪を表明。特に乗車していた全員が犠牲になったカリフォルニア州サンディエゴでの事故については、「ご遺族に対して哀悼の意を表明したい」と述べました。



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