2010年2月15日(月)「しんぶん赤旗」

復興 急ピッチ

四川大地震 被災地は今


 死者・行方不明者8万7000人を出した中国四川省大地震(2008年5月12日)の被災地では「3年の復興計画を2年で」の合言葉のもと、14日からの春節(旧正月)休み返上で工事が急ピッチで進んでいます。(四川省汶川県、北川チャン族自治県=山田俊英 写真も)


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(写真)入居した新しい団地の公園で遊ぶ被災者の子どもたち=4日、四川省汶川県

 切り立った山の谷あいにある汶川県中心部。6階建ての真新しいアパートが立ち並んでいます。「こんなに早く新しい家に入れるなんて」。女性(40)=教師=は顔をほころばせます。広さ100平方メートル。被災前住んでいた公務員住宅より広い家です。母、夫、12歳の長男と4人暮らし。仮設住宅から昨年12月、無償で入居しました。

 県内が震源だった汶川ではほとんどの建物が倒損壊し、11万人の住民のうち1万6千人が犠牲になりました。農村部の住宅再建は昨年中に完了しました。市街地では新築計画4500戸のうち3700戸が完成し、抽選で入居が始まっています。

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(写真)山東省の支援で建設工事が進む北川チャン族自治県の新県城=5日

 この女性の団地の隣には昨年10月、ベッド数200床の総合病院が開業しました。被災者が無料で利用できるリハビリセンターには香港から医師、職員が派遣されています。院長は「被災前よりりっぱな医療を整えます」と胸を張ります。

 商店街もすっかり整備され、外観は被災地と思えないほどです。

各省が請け負い

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 復興事業は国が経済力のある省に被災県(県は農村部の行政単位。日本なら市に相当)をそれぞれ一つ請け負わせて進んでいます。汶川県の復興は広東省の受け持ち。当面総額82億元(約1100億円)の財政支出を予定しています。

 死者、行方不明2万人以上を出した北川チャン族自治県は山東省の担当。山深くにある県城(県庁のある市街地)が壊滅し、同じ場所での再建を断念。県境を変更し、隣の県だった場所に新しく県城を建設します。建設用地に住んでいた農民は移転させられました。

 今年中に1万5000戸の住宅、役所、学校、工業団地などを建設して3万人の市街地を建設。20年までに7平方キロ、7万人の町に発展させる計画です。校舎倒壊で生徒や教師1000人以上が亡くなった北川中学・高校は東京ドーム1・5倍の敷地に鉄筋コンクリート造りの校舎、寄宿舎など10棟余が立つ大規模校に生まれ変わります。

 土ぼこりがもうもうと立つ中、突貫工事が進んでいます。新県城建設指揮本部の韓貴鈞(かんききん)副本部長は「24時間体制で何としても間に合わせる」といいます。

雇用確保が難題

 生活再建に欠かせないのが住宅とともに雇用です。四川省統計局によると復興事業は約20万人の新規雇用を生み出しました。しかし、11年までの基本的再建計画が終わった後をどうするか。復興工事で雇用されている地元民の多くは専門技術を持たず、単純作業に従事しています。

 山東省は北川県で建設中の工業団地に省内21の企業を進出させ、企業まで提供します。ただ、雇用創出は建物の建設以上に大変な事業です。膨大な移住に伴う求職者の増大、技能訓練―多くの課題の解決を迫られます。


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