2010年2月14日(日)「しんぶん赤旗」
友好はぐくむ熱戦
バンクーバー冬季五輪開幕
民族の尊重・共存 世界に発信
【バンクーバー(カナダ)=代田幸弘】先住民や環境との共生をテーマにした第21回冬季オリンピック競技バンクーバー大会が12日夜(日本時間13日午前)の開会式で開幕しました。
1988年カルガリー大会以来、22年ぶりのカナダ開催となった大会には、史上最多の82カ国・地域から約2500選手が参加。7競技、過去最多の86種目で、28日までの17日間にわたって熱戦を繰り広げます。
開会式は冬季初の屋内開催。ドーム型の競技場、BCプレースで開かれました。古代五輪発祥の地ギリシャを先頭にアルファベット順に入場行進。日本は43番目にスピードスケートの岡崎朋美選手を旗手に行進しました。
この日午前中には、リュージュ男子の公式練習でグルジアの選手が死亡する事故が起きました。開会式で同国選手団は喪章をつけて入場。場内は同選手の死を悼んで黙とうしました。
バンクーバー発 鼓動
カナダの大自然や先住民を含めた民族の尊重と共存をかかげた開会式。「わたしたちには、人種や肌の色、政治や宗教の違いをのりこえ、カナダ人として生きる自由がある。そして、何億もの自由が実際に存在している」
式を通して世界に発信したその訴えは、多くの移民を受け入れてきたバンクーバー市民の心にもひびくものでした。30年以上、同市に住む日本人女性がこんな話をしていました。
「アメリカはすべての国民を一つのコップの中に入れて、かき混ぜる。カナダは、その民族や個人のやり方を認めながら社会を構成していく『モザイク国家』なんです」
それが、オリンピックの精神と合致していると彼らは強調しています。
たしかに、この国も先住民を抑圧した歴史をもち、いまも潜在的な民族間の差別意識は残っています。今回、先住民の参加を大会の柱に据えたのもその裏返しでしょう。
しかし彼らが直面しながら、めざす社会は、スポーツを通して友情や親交をはぐくみ、世界平和に貢献するというオリンピック運動と軌を一にするものです。
さあ、今度は選手たちの番です。82の国と地域から集まった約2500人のアスリートが、はげしい競り合いの中でどんな友好の輪をひろげるか。最高レベルのプレーとともに、その姿が、とても楽しみです。(バンクーバー=代田幸弘)

