2010年2月6日(土)「しんぶん赤旗」

議員手当で美術品・害虫駆除費…

英で返還求める報告書

首相は園芸代請求


 英国の与野党議員が、報酬とは別に支払われる議員手当を不当に請求し、国民の反発を買っていた問題で、監査を担当していた元大法官府事務次官のトーマス・レッグ氏は4日、ブラウン首相を含む390人の国会議員に対し、総額で約112万ポンド(約1億6千万円)を返還するよう求める報告書を発表しました。(田中一郎)


 ロイター通信などによると、230ページにわたる報告書は、2004年から09年までの不当請求について調査。112万ポンドのうち、すでに約80万ポンドは返済されているといいます。

 報道によると、ガーデニング(園芸)費用などを不当に請求していたブラウン首相の返済請求額は約1万4000ポンド(約199万円)。野党保守党のキャメロン党首は約1000ポンドで、両者とも返納済みといいます。

 今回、最高額の4万2458ポンドの返還を求められたフォレット下院議員(労働党)は、自宅の警備費や保険の掛け金、美術品、害虫駆除費などを不当請求していました。

 ホープ下院議員(同)は4365ポンドの返還請求に対し、自主的にフォレット氏より多い4万2674ポンドを返済しました。

 レッグ氏は、こうした国会議員の不当請求がこれまで問題にされてこなかったことについて「透明性の欠如」が「まん延している」と批判。報告書の中で「公的な信頼を損ね、その傷が癒えるには時間がかかるのは疑いない」と述べました。


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