2010年2月3日(水)「しんぶん赤旗」

「政治とカネ」

国会の到達点に立った対応を

代表質問で志位委員長

小沢氏の税金還流疑惑に答えぬ首相


 日本共産党の志位和夫委員長は2日の衆院代表質問で、小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体・陸山会の土地購入疑惑について、問題解決のための根本的対応を迫りました。しかし、首相は最後までこの問題に主体的に関与する姿勢をまったく見せませんでした。

 志位氏が疑惑の「最大の焦点」として指摘したのは、小沢氏側にゼネコンのヤミ献金があったのではないかという問題です。

 「しんぶん赤旗」が水谷建設関係者から、1億円を渡したとの証言を得たことを示した上で、小沢氏が土地購入の原資について、「政治献金」(2007年2月)↓「銀行からの融資」(09年10月)↓「個人の資産」(10年1月)と説明を二転三転させたことを指摘。「このこと自体が、原資を明らかにしたくない、明らかにできないことの表れではないか」と追及しました。

 重大なことに、水谷建設関係者は、陸山会の会計責任者だった大久保隆規被告(公設第1秘書)から献金を要求されたことも「しんぶん赤旗」に証言し、水谷建設は実際に岩手県胆沢ダムの工事を受注しています。

 志位氏は、西松建設疑惑でも公共事業参入への小沢氏の「天の声」を得るために、同建設側が献金を行っていた疑惑が公判廷で示されていることを指摘。「税金で行われる公共事業を食い物にしたという看過してはならない政治的道義にかかわる疑惑が提起された」と首相の認識をただしました。

 鳩山首相は「検察の捜査中なので見守る」として、小沢幹事長の疑惑への認識を示しませんでした。

 志位氏は、鳩山首相の姿勢について、施政方針演説で小沢幹事長の疑惑に一言も触れず、国会が切り開いてきた疑惑究明の到達点を無視していることを批判しました。

 全日空の新機種選定にからみ田中角栄首相(当時)が受託収賄罪、外為法違反容疑に問われたロッキード事件(1976年発覚)では、衆参両院議長の立ち会いのもとで5党党首会談が開かれ、政治的道義的責任の有無も含めて国政調査権を発動して真相究明をはかることが確認されました。

 志位氏が、検察・司法の究明と国会の究明が“車の両輪”となって疑惑解明を進めるという、国会での政治疑惑究明の到達点に立った対応を迫ったのに対し、首相はここでも「検察の捜査中なので見守る。国会のことは国会で議論を」などと他人事の答弁を行いました。

 志位氏は、この問題の根源には、田中金脈、金丸金脈以来の金権政治と、その元凶である企業・団体献金の温存があると強調。企業・団体献金の即時禁止と政党助成金の撤廃を強く求めました。

 鳩山首相は、企業・団体献金廃止については「各党・各会派で議論し成案を」と述べるにとどまり、自分の納めた税金が自分の支持していない政党に回される強制献金である政党助成金については「民主主義のコスト」と開き直りました。



もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp