2010年2月1日(月)「しんぶん赤旗」

独派遣 2年で5%賃上げ

最低賃金もアップ

企業の反対覆す 15万人に適用


 ドイツの派遣労働者の権利を代弁するドイツ労働組合総同盟(DGB)と大手派遣会社などでつくる派遣会社連盟(BZA)はこのほど、派遣労働者の給与引き上げなどで合意しました。(片岡正明)


 26日に合意された労働協約によると、今年5月に2・5%、さらに来年の5月に2・5%と計5%の賃上げをするほか、使用者側が一時払いとして80ユーロ(約1万円)を支払います。

 また、労働協約上の最低賃金も引き上げます。旧西独地域で時給を7・56ユーロ(約983円)、旧東独地域で6・62ユーロ(約861円)とします。この労働協約は15万人に適用されます。

 世界的な経済危機のもとでドイツでは企業の生産縮小が進み、派遣労働者数も2008年末の約80万人から09年5月末には50万人になるなど派遣労働者切りが深刻化しています。しかし、労働者側は「不況の中でも公正な賃金を」と要求してきました。今回の合意は「企業としては派遣労働者の賃上げを認める余裕はない」との論理を覆すものとして、注目されています。

 ドイツの派遣労働者の労働協約はほかに、中小の派遣会社でつくる団体とDGBとの間のもの、キリスト教労働組合(CGZP)と派遣会社の間のものがあります。しかし、キリスト教労働組合の労働協約について、ベルリンの労働裁判所は昨年、使用者側に有利になっているとして、これを不当だとする判決を出していました。



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