2010年1月30日(土)「しんぶん赤旗」

胆沢ダム工事に“鹿島人脈”

下請け5社に“天下り”

小沢氏団体に 献金も1757万円


 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部の強制捜査を受けたゼネコン最大手「鹿島」の複数の元社員が胆沢ダム関連工事の下請け企業幹部に“天下り”していたことが判明していますが、本紙の調べで新たな判明分をあわせると5社にのぼることが29日、わかりました。同ダム工事の入札に近い時期に東北支店幹部を務めていた人物が目立ち、“鹿島人脈”の存在が改めて注目されます。


 東北地方における談合の“仕切り役”と西松建設の偽装献金事件で検察に指摘された鹿島が参加するJV(共同企業体)は、胆沢ダム「堤体盛立工事」を1期、2期とも受注しました。

 本紙の調べによると、1期工事で鹿島JVの1次下請けとなった5社の幹部に鹿島OBがいました。そのうち、4社が、小沢氏側の政治団体に合計1757万円を献金していました。

 19日に特捜部の家宅捜索を受けた「宮本組」(兵庫県姫路市)には、同工事の入札があった2004年当時、談合の仕切り役だった鹿島東北支店元幹部が08年1月に顧問として採用されています。元幹部の自宅も今月13日に家宅捜索を受けました。

 宮本組関係者によると、元幹部はほとんど出勤せず、勤務実態はないといいます。

 同社は、小沢氏が支部長の政党支部など同氏関連の政治団体にパーティー券購入や献金で1182万円(03年〜08年)の資金提供をしています。

 同じく家宅捜索を受けた「山崎建設」(東京都中央区)の現社長は、入札の前年の03年に鹿島東北支店長だった人物です。仕切り役とされる元幹部の上司でした。

 山崎建設は150万円(同)を小沢氏側に献金をしていました。

 宮本組や山崎建設とJVを組んだ「丸磯建設」(東京都品川区)には、03年に鹿島東北支店次長だった人物が同年9月に入社。同社の営業本部本部長になっていました。

 200万円を献金した「梨子建設」(盛岡市)の専務も、鹿島東北支店OB。225万円を献金した「菊一建設」(東京都町田市)の取締役も鹿島OBでした。

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