2010年1月27日(水)「しんぶん赤旗」

主張

民主党小沢幹事長

政治的道義的責任は明らかだ


 民主党の小沢一郎幹事長が、自らの資金管理団体「陸山会」の土地購入に絡む政治資金規正法違反事件で東京地検特捜部の聴取を受け、検察の捜査とともに、国会での真相解明と政治的道義的責任の追及が焦点となっています。

 小沢氏は、土地購入の資金は自己資金だったとし、政治資金収支報告書の虚偽記載についても関与を否定しましたが、疑惑は解明されていません。刑事責任は今後の捜査にゆだねるとしても、政治的道義的責任は明らかです。小沢氏と民主党は、国会での参考人招致に応じるなど、国民の前に真相と責任を明確にすべきです。

税金“還流”は重大な疑惑

 与党の幹事長が被疑者として検察の聴取を受けるという異常な事態のなかで、土地購入をめぐる疑惑はますます深まっています。

 小沢氏は検察の事情聴取に、購入資金は家族名義の自己資金で、事務所に保管していたのを貸し付けたと説明しました。もともと小沢氏は土地購入の資金は政治献金を積み立てたものだと説明し、政治資金収支報告書では預金を担保に銀行から融資してもらったと報告していました。それが二転三転して家族名義の自己資金になり、その保管場所も、「自宅」から「事務所」に変わっているのですから、それだけでも疑惑は明らかです。

 政治資金規正法は、政治家が政治資金の流れを国民の「不断」の監視と批判のもとにおくために、正確な報告と公開を求めています。国会議員は、預金などの資産を公開することも求められています。過失か故意かそれを行わず、つじつま合わせのように説明を変えること自体、政治的道義的責任を追及されるのは免れません。

 小沢氏は、「陸山会」の政治資金収支報告書の作成は秘書が行ったもので、指示したり相談に乗ったりしたことはないと関与を否定しました。虚偽記載での責任追及を逃れようとしているのは明らかですが、秘書がやったといえば、政治的道義的責任までなかったことになるわけではありません。「監督責任」を認めるなら、小沢氏は責任を明白にすべきです。

 疑惑の核心は、購入資金にゼネコンからの裏献金が含まれるのではないかということです。土地代金を支払った時期に中堅ゼネコンの「水谷建設」が裏献金を小沢氏の秘書に届けていたことが、「しんぶん赤旗」の調査でも明らかになっています。もともと小沢事務所は、東北地方の公共事業発注でゼネコンなどに「天の声」を出しているといわれてきました。

 土地購入の資金に公共事業を受注したゼネコンからの献金が含まれているとなれば、まさに税金の“還流”であり、真相の徹底究明と政治的道義的責任の追及はいよいよ免れません。献金が事実なら贈収賄やあっせん収賄などでの刑事責任もありうるだけでなく、たとえ刑事責任は逃れても、政治的道義的に政治家の資格が問われることになるのは明らかです。

民主党は自浄能力示せ

 小沢氏の政治的道義的責任の追及は、検察による刑事責任の追及と“車の両輪”であり、「検察の捜査を見守る」という態度では、その責任を果たすことはできません。国会の自殺行為になります。

 民主党が自浄能力を持つなら、なにはさておいても、小沢氏の参考人招致などに応じるべきです。



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