2010年1月25日(月)「しんぶん赤旗」
セラヤ大統領、出国へ
27日ドミニカ共和国に
ホンジュラス
【グアヤキル(エクアドル)=菅原啓】中米のホンジュラスで昨年6月に発生したクーデターで政権を追われ、同国内のブラジル大使館に避難中のセラヤ正統大統領は23日、ドミニカ共和国に出国する意思を明らかにしました。
ホンジュラスでは27日に、クーデター政権支配のもとで実施された昨年11月の選挙で当選したロボ大統領の就任式が行われます。今回の出国は、ロボ氏とドミニカのフェルナンデス大統領の合意にもとづくもの。セラヤ氏は任期切れの27日に「普通の一市民として」出国すると語りました。
ホンジュラスのクーデター支持派の司法当局は、セラヤ氏の行動を「憲法違反」として告訴し、拘束命令を発しています。セラヤ氏は「国が平穏となり、誠実かつ独立した判事が存在するときが来れば」という条件で、帰国して裁判に臨むつもりだと述べています。
ロボ次期大統領は23日、就任後の最初の仕事がセラヤ氏の出国を保障することだと語りました。ロボ氏は、最後まで出国を認めなかったクーデター政権との違いを示し、国際社会の批判を和らげたいとの思惑があると指摘されています。
しかしスペイン政府は同日、セラヤ氏が無事出国したとしても、ロボ氏の就任式には政府代表を送らない立場を改めて表明。クーデター政権下の選挙については、スペインのほか中南米の多くの国の政府が承認しない立場を維持しています。