ハイチ地震支援を

国連事務総長が各国に要請

　【ワシントン＝西村央】潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は１３日、ハイチで１２日発生した地震の被害状況が甚大になることが予想されるとして、国際社会に援助を要請しました。世界銀行や米州開発銀行は同日、緊急支援を決定｡オーストラリアが１４日､被災者への緊急人道支援を表明したほか、米欧や中南米諸国も支援策に動いています。

　潘事務総長は、「人道上、重大な事態に直面していることは間違いなく、大規模な救援活動が必要とされている」と表明。地震被災者への緊急援助を要請するとともに、国連としても１０００万ドル（約９億２０００万円）を直ちに拠出する方針を示しました。

　同氏はまた、国連として人道援助調整のための緊急対応チームを派遣することを明らかにし、国連のハイチ担当特使を務めているクリントン元米大統領とも対応を協議しました。事務総長自身のハイチ入りにも意欲を示しました。

　一方、世界銀行は復旧支援のため１億ドル（約９２億円）を緊急拠出する方針を発表しました。

　ゼーリック総裁は声明で「衝撃的な出来事で、国際社会によるハイチ国民への支援が極めて重要だ」と強調。ハイチ復興のための新たな基金を設立し、国際社会の協力を呼び掛けていくとしています。

　また、米州開発銀行も２０万ドル（約１８００万円）の緊急援助を決定。国連機関の世界食糧計画（ＷＦＰ）は同日、被災者への緊急支援として、高カロリーのビスケット８６トンの空輸手続きを開始しました。これは３万人の人が１週間過ごせる分量です。

　オーストラリア政府は１４日、医療や水、食料などに充てる支援額として１０００万豪ドル（約８億５０００万円）を拠出すると発表しました。