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2010年1月8日(金)「しんぶん赤旗」

国、自立支援法を反省

訴訟原告と合意 応益負担の廃止明記

「障害者の尊厳を傷つけた」


 障害者自立支援法によって、障害者が生きるために欠かせない福祉や医療の支援に1割の自己負担を課すのは、生存権を保障した憲法に違反するとして、全国の障害者ら71人が負担取り消しなどを求めた集団訴訟をめぐり、原告・弁護団と国側は7日、同法廃止などを定めた基本合意文書を取り交わしました。これを受け、原告団は訴訟の終結を表明しました。


 調印式で長妻昭厚生労働相は「障害者の尊厳を傷つけたことを心から反省する」と表明しました。

 合意文書は、「国は憲法の理念にもとづき提訴した原告の思いに共感し、これを真摯(しんし)に受け止める」とし、応益負担の速やかな廃止、2013年8月までの自立支援法の廃止と新法制定をうたっています。

 今年4月から廃止までの対応として、市町村民税非課税の障害者の福祉支援や車いすなどの器具の自己負担をなくすとしています。医療支援の自己負担については今後協議することになりました。

 また、新法制定に向けた論点として原告側から、▽少なくとも市町村民税非課税世帯は無料にする▽収入認定は家族を除外し本人だけにする▽介護保険優先原則の廃止などの指摘がされたことが明記されました。

 東京訴訟原告の男性は「憲法に照らして応益負担は廃止するべきものと明確にされた意義は大きい。医療費の負担は軽減されないなど問題点はあるが、この合意をスタートとして、障害者が参加する国の『障がい者制度改革推進本部』で声を反映させるとともに、引き続き運動を盛り上げ誰もが安心して暮らせる制度をつくりたい」と話しています。



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