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2009年12月15日(火)「しんぶん赤旗」

チリ大統領選 決選投票へ

右派過半数及ばず

議会選 共産党36年ぶりの議席


 【メキシコ市=菅原啓】チリの大統領選挙が13日投票で行われ、選挙管理委員会の集計で、右派野党連合の企業家セバシティアン・ピニェラ元上院議員(60)が第1位を確保しました。しかし、当選に必要な過半数にはいたらず、第2位となった与党連合「コンセルタシオン」のエドゥアルド・フレイ元大統領との間で決選投票に臨むことになりました。


 選管の第3次公式集計(開票率98%)によると、ピニェラ氏の得票は44%で、フレイ候補の29・6%を引き離しています。与党を離脱した無所属候補のエンリケス氏は20・1%、共産党などで結成した左翼連合候補のアラテ氏は6・2%となっています。

 ピニェラ氏は、20年近くにわたる中道・左派政党の連合による政権運営の継続を批判し、「変化」を訴えて、支持を集めました。同氏が決選投票で勝利すれば、ピノチェト独裁政権から民政移管した90年以来初の右派勢力の政権獲得となります。

 フレイ氏は、エンリケス、アラテ両氏の政策の一部を実行することを約束し、両氏の支持者に決選投票での支持を呼びかけました。

 アラテ氏を推した左翼連合は、決選投票で右派政権の復活を阻止するためにフレイ候補を支持する態度を明らかにしました。エンリケス候補は13日夜の会見で、ピニェラ、フレイ両氏ともに、過去の政治の代表であると指摘し、支持者にたいしてはいずれの候補も推薦しないとの立場を表明しました。

 同時に行われた国会議員選挙では、中道・左派の与党側と右派野党の得票率が40%台で並び、与党側がわずかにリードしています。チリ共産党は、今回初めて与党連合と選挙協力し、下院で3議席獲得するとみられています。同党の国会議席復活は、アジェンデ人民連合政権が打倒された73年の軍事クーデター以来36年ぶりとなります。


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