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2009年12月9日(水)「しんぶん赤旗」

ドイツのように林業で雇用を増やすとは?


 〈問い〉日本共産党は、林業・木材関連産業の雇用が多いドイツのようにすれば、雇用を増やせると言います。具体的に教えてください。(愛媛・一読者)

 〈答え〉ドイツの林業行政は、連邦政府が全体の枠組みを決め、州政府が地域の森林保護、林業、森林管理に責任をもち、経営を持続的に確保できるよう、私有林、国・自治体林を一元的に管理・指導しています。

 連邦政府は、1970年代に生産基盤となる林道を補助金で整備し、1ヘクタール当たりの作業路の長さは日本の8倍です。林業は200年の歴史があり、100年生以上の大径木も多く、1ヘクタール当たりの蓄積量は日本の1・5倍、年間成長量も消費量を超える9500万立方メートルといわれています。成長量内での伐採が原則とされ、持続的林業経営が可能になり、木材関連産業の発展と雇用にもつながっています。

 林業を行うには、専門的知識や技術が必要です。ドイツではプロの作業員とともに、林業経営から木材販売までサポートできる専門家の養成に力を入れ、支援体制を確立しています。

 森林は国内で再生産できる貴重な資源で、国土・環境保全、CO2の吸収など国民生活にも重要な役割を果たしています。

 日本は、60年代に大商社や大手住宅メーカーの利益を最優先した林産物の輸入が自由化され、輸入品にあわせた製材規格や建築基準の緩和まで行われました。このため現在、需要の約8割を外材に依存しており、国内林業は木材価格の低落で伐採しても植林費用が確保できないため、停滞してしまいました。

 林業労働者は75年の15万人から4万人に激減、高齢者も多くなり林業労働者の育成が急務になっています。

 戦後、植林した人工林が成長して、総蓄積量は70年代の2倍の44億立方メートルを超えています。年間の成長量は、消費量に相当する8000万立方メートルに達しています。

 ドイツのように、林業を国の大切な産業として振興し、国産材の利用拡大をすすめ、持続可能な産業として再構築すれば、雇用は林業とともに木材関連産業を含めて広がります。(野)

〔2009・12・9(水)〕


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