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2009年12月3日(木)「しんぶん赤旗」

虐殺事件に抗議デモ

私兵集団の武装解除を求める

警察・軍の対応批判も

フィリピン


 ロイター通信によると、フィリピンの首都マニラで11月30日、ジャーナリストや人権活動家数百人が、南部ミンダナオ島でジャーナリスト30人を含む57人が虐殺された事件に抗議し、「犠牲者に正義を」と訴えてデモ行進しました。

 全国報道クラブのベニ・アンティポルダ会長は、「われわれは正義を求める」との声明を発表。「世界中が事件に嫌悪感を示している。殺されたメディア関係者は、まったく武器など持っていなかった」と抗議しました。

 全国ジャーナリスト連盟が11月27日に発表した声明は、虐殺を糾弾するとともに、今回の事件の背景には政府と検察、警察、司法の各機関が私兵集団の蛮行を事実上見逃してきた現実があると指摘。また、国軍が「実際には(私兵集団の)犯罪を扇動し、政権寄りの政治家を防護する犯罪者を擁護しているのが実態だ」と厳しく批判しています。

 そして、検察による事件の迅速な捜査や目撃者の保護、公正な裁きの執行とあわせ、「地方政治家の私兵集団としてはびこる準軍事的な勢力の武装解除と全面的な解体」を強く求めています。

 同連盟によると、フィリピンでは2001年以降、今回の事件の犠牲者以外にも59人が殺害されています。

 フィリピンはアジア地域ではもっとも報道が自由な国ともいわれますが、ジャーナリストは日常的に脅迫され、銃撃されたり殺害されたりしています。

 23日のマギンダナオ州での虐殺事件では、来年5月投票の知事選挙をめぐり、立候補を表明した候補者の一族とそれに同行した弁護士やジャーナリストを乗せた車両が襲われました。遺体は幹線道路から離れた草むらの丘の斜面や穴のなかに埋められていました。

 検察当局は、マギンダナオ州の町長アンダル・アンパトゥアンを虐殺事件の主たる容疑者とし、複合殺人にかかわった容疑で起訴しました。(宮崎清明)


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