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2009年12月1日(火)「しんぶん赤旗」

民主・自民・公明が不採択

都立3小児病院守れの請願

共産党は採択を主張


 東京都議会厚生委員会は30日、都が廃止を計画している八王子、清瀬、梅ケ丘の都立3小児病院の存続を求める都民の請願・陳情3件を、民主、自民、公明各党の反対多数で不採択にしました。日本共産党は採択を主張しました。


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(写真)傍聴者が見守るなか、都立小児病院の存続を求める請願・陳情に着席して反対する民主・自民・公明各党。立っているのは日本共産党の大山とも子都議=11月30日、都議会厚生委

 請願・陳情は「東京の保健衛生医療の充実を求める連絡会」など3団体が提出していた計6万3033人分。日本共産党の大山とも子都議は「長女出産後1週目から小児病院に通院し助かった。身近な病院をなくしてほしくない」など都民の痛切な声を紹介。3月都議会で廃止条例に反対した党が過半数を占めた都議会で、「『都立小児病院は存続』と都民に約束した各会派が責任を果たそう」と呼びかけました。

 7月都議選に向けた「東京政策2009」で都立病院など公的病院の「存続」を掲げていた民主党は「会派内で激論になった」としつつ、3病院廃止を前提とした要望書に対する都の回答を評価し、請願・陳情に反対しました。

 傍聴席では定員を上回る都民が審議を見守り、採決後、民主党都議に「裏切りではないか」「(選挙で)言ったことに責任を持ちなさい」などと抗議していました。

廃止で小児医療大後退

大山都議が都を追及

 東京都が都立3小児病院廃止後に講じるという「後(あと)医療」対策は、3病院が果たしてきた役割を代替できないうえ実現の保障もなく、廃止すれば小児医療の大後退を招くことが、30日の都議会厚生委員会で浮き彫りになりました。日本共産党の大山とも子都議が都を追及しました。

 都は3病院の一つ、清瀬小児病院について、廃止後は多摩北部医療センター(都保健医療公社)の小児科病床を25床から当面35床に拡充して補うとしていますが、患者数は入院で清瀬の1日平均180人に対し同センターが10人、病床数は清瀬255床に対し25床です。大山氏は、病床数を増やしても清瀬小児病院の7分の1に減るうえ、医師・看護師の増員もめどが立っていないと指摘しました。

 都病院経営本部の斎藤真人担当部長は、医師・看護師確保に努めていると答えるにとどまりました。

 大山氏は八王子、梅ケ丘両小児病院についても、代替性も実現性もないことを指摘し、多摩地域のNICU(新生児集中治療室)整備について、「新しい国基準では100床以上必要なのに現在は42床しかない。府中(小児総合医療センター)に新設しても(清瀬・八王子の小児病院廃止で)減らすのは無責任」と批判しました。



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