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2009年11月15日(日)「しんぶん赤旗」

同盟基礎に関与強化

米大統領がアジア外交演説

核抑止力の維持にも言及


 オバマ米大統領は14日、東京都内のサントリーホールでアジア外交について初の主要演説を行い、日本や韓国などとの2国間同盟を基礎にアジア・太平洋地域への関与を強める考えを表明しました。

 大統領は、貿易やエネルギー安全保障、気候変動などの課題を挙げ、「米国は、この地域の将来における利害を共有している」と指摘。ハワイで生まれインドネシアで育った自らの生い立ちに触れ、「太平洋地域出身の初の米大統領として、この極めて重要な地域において指導力を強化する」と述べました。

 日本などとの同盟関係について、「地域の安定と安全の礎」と強調し、「旧来の同盟関係を強化するとともに、地域の国々と新しいパートナーシップを築く」と表明。「日本とアジアの安全保障に対する米国の約束は揺るぎない」として、アジアでの米軍駐留を続ける考えを述べました。

 対中関係では「国益に基づくアプローチ」を行うと説明。「21世紀の諸問題に対処するために、中国と実利的な協力の追求が重要だ」と語りました。

 中国の台頭を警戒する見方に対しては「一国の成長が他国の利益を脅かすものではない」と反論。「米国は中国を封じ込めたりしない。中国との関係を深めることは、同盟関係を弱めるものではない」と指摘しました。

 核問題では、「核のない世界」を提唱したプラハ演説に言及する一方、「核兵器が存在する限り、日本や韓国といった同盟国を守るために、強力な核抑止政策を取り続ける」と表明。核不拡散体制の整備、核保有国の「軍縮の責任」について述べるに留まりました。北朝鮮に対しては、核兵器計画の放棄と6カ国協議への復帰を改めて求めました。


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