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2009年11月8日(日)「しんぶん赤旗」

主張

民主党献金問題

疑惑の追及にこたえるべきだ


 鳩山由紀夫首相(民主党代表)や小沢一郎同党幹事長にかかわる政治資金疑惑が拡大しています。

 鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」の献金疑惑は、実在しない“故人”などに個人献金が偽装されていたのに加え、年間5万円以下の匿名献金も偽装されていた疑いが明らかになりました。準大手ゼネコンの西松建設からの献金をめぐって秘書が逮捕・起訴されている小沢氏にも、資金集めのパーティー収入を少なく偽装していた疑いなどが浮上しました。

 鳩山首相と民主党は、疑惑の追及にこたえるべきです。

2億円にのぼる偽装疑惑

 鳩山首相の資金管理団体をめぐり疑惑が指摘されているのは、「偽装」をみずから認めている個人献金が2005年から08年にかけての92人分で約2200万円、献金者を届け出なくてもよい匿名献金も04年から5年間の合計約1億8000万円の大半が小口を装った偽装献金と見られています。合わせて2億円を超すといえば、国民にとって巨額です。

 鳩山首相は当初、会計実務担当者だった秘書が献金の不足を穴埋めするため、あらかじめ預けてあった資金から献金として届け出たと説明しました。政治資金収支報告書も、献金ではなく鳩山氏の貸付金と修正しました。しかし、偽装が疑われる金額が2億円にものぼるとなれば、それだけでは説明がつきません。匿名献金の大半は鳩山家の資金管理会社「六幸商会」からの資金だったことが明らかになり、首相も国会で、支出を認める「指示書」に署名し秘書に引き出させていたと答えました。

 鳩山首相は資金源について、個人資産だと説明しています。それが事実なら禁止されている企業献金などには該当しないことになりますが、ほんとうか。政治家本人が資金管理団体に寄付する場合でも年間1000万円が上限です。上限を超えれば貸付金という約束だったといいますが、つじつまあわせの感はぬぐえません。

 「六幸商会」は、母親や親族の資金も管理しています。首相は母親や親族などの資金が使われていたようなことは「ないと信じている」といいますが、現に資金管理団体には母親など親族も献金しています。疑惑は残ります。政治団体への個人の政治献金は年間150万円が上限です。鳩山家は資産家であり、母親が所有する建物が無償で提供されていたなどの疑惑もあります。疑惑は広範です。

 政治家が「政治とカネ」をめぐって疑惑をもたれた場合、みずから解明の責任を果たすのは当然です。首相の関与についての、自身の説明が求められます。ところが首相は「地検の捜査にゆだねている」などを理由に説明を免れようとしています。首相として絶対に許される態度ではありません。民主党も疑惑を追及しません。国会としての真相究明が必要です。

国会の場で徹底究明を

 小沢氏の政治資金をめぐる疑惑も放置できません。逮捕された秘書の初公判は12月に予定されていますが、小沢氏自身のかかわりも徹底究明されるべきです。

 「政治とカネ」をめぐる疑惑への態度は、鳩山政権の基本姿勢にかかわります。国会の予算委員会で一連の疑惑の集中審議を行い、関係者の出席も求めて、国民の前で徹底的な究明が不可欠です。



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