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2009年10月30日(金)「しんぶん赤旗」

米国の対キューバ経済封鎖

解除決議 18年連続

国連


 【メキシコ市=菅原啓】国連総会は28日、米国による対キューバ経済封鎖の解除を求める決議案を史上最多となる187カ国の賛成で採択しました。同趣旨の決議の採択は1992年以来、18年連続となります。


史上最多187カ国が賛成

「憲章・国際法に違反」

 キューバとの新しい関係を追求するとしていたオバマ米政権の動向が注目されていましたが、これまで同様に反対票を投じました。反対は米国、イスラエル、パラオの3カ国、棄権はミクロネシアとマーシャル諸島だけでした。

 各国代表は採択を前に、封鎖が国連憲章と国際法に違反する政策だと厳しく指摘しました。同時に、4月に封鎖の一部緩和を実施したオバマ政権を評価し、「和解への動きを歓迎する」(南アフリカ)など、米国の政策見直しに期待を寄せる発言も目立ちました。

 非同盟運動の議長国、エジプトの代表は、封鎖措置は各国が自由な意思で自らの政治・経済体制を決める権利を妨害するものだとして、封鎖解除を強く要求しました。

 カリブ共同体を代表して発言したセントクリストファー・ネビスの代表は、カリブ海諸国と相互協力しているキューバへの経済封鎖は、キューバだけでなく地域全体の発展にも障害となっていると指摘しました。

 ベトナム代表は、民主主義は外から押し付けることはできず各国はそれぞれ独自の道を追求すべきだと述べたオバマ大統領の演説に触れ、米国に対し、キューバとの緊張を減らし、関係を正常化するために封鎖を解除するよう呼びかけました。

「犯罪的政策」 対話の用意も

キューバ外相

 【メキシコ市=菅原啓】キューバのロドリゲス外相は28日、米国による経済封鎖解除を求める決議を採択した国連総会で、制裁措置を「一方的で犯罪的な政策」と批判しました。同外相は、オバマ政権が封鎖の一部を緩和したことについて、「正しい方向をとっている措置もある」と認めながらも、キューバにさまざまな障害をもたらしている「封鎖は手直しされず継続している」と指摘しました。

 採択後の記者会見で同外相は、187カ国が賛成した結果に満足を表明。オバマ政権に関して、ブッシュ前政権に比べキューバに対する「攻撃性や言葉による非難が少ない」との見方を示し、主権平等のもとに「米国の政府といかなるレベルでも対話を続ける用意がある」と述べました。


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