2009年10月18日(日)「しんぶん赤旗」
先制攻撃戦略見直しへ
米政府“国際環境を考慮”
米紙報道
【ワシントン=西村央】米紙フィラデルフィア・インクワイアラー電子版(16日)は、米国防総省がブッシュ政権時代の先制攻撃戦略見直し作業を進めていると伝えました。キャスリーン・ヒックス国防副次官(戦略担当)の話として伝えたものです。
それによると、見直しは先制攻撃戦略の緩和か、もしくは終了の方向で行っています。
理由としてヒックス氏は、2002年にブッシュ大統領(当時)が同戦略を導入した当時と比べ、国際環境が「さらに複雑に」なっていることに言及。「それを考慮に入れながら、軍の運用を見直そうとしている」と述べています。
同戦略は、米国防総省の「4年ごとの国防計画の見直し(QDR)」のなかで再検討されるもので、同副次官はその見直しにあたっているとしています。
先制攻撃戦略は、02年6月にブッシュ大統領が陸軍士官学校での演説で提唱し、同9月に米国の戦略として取り入れていたもの。米国が「差し迫った脅威」に対応するのではなく、「脅威が現れる前に」攻撃する権利を持つという内容です。
これに対しては、シンクタンク、外交問題専門家などから「国際法や規範に合致しない」との批判がありました。