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2009年10月4日(日)「しんぶん赤旗」

東京の五輪招致活動

経費150億円 予定の3倍

巨大開発を計画 基金4000億円


 2日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で2016年夏季オリンピックの開催都市はリオデジャネイロ(ブラジル)に決まり、招致をめざしていた東京都が落選しました。石原慎太郎都知事のトップダウンで巨額の税金をつぎ込んで招致活動を進めてきたツケは大きなものがあります。

暮らし応援を

 貧困と格差の拡大に苦しむ都民からは、「五輪にお金をかける前に、暮らしを応援してほしい」という声も多く、IOCが行った世論調査では東京の支持率は56%と、リオデジャネイロの85%から大きく水をあけられていました。

 こうしたもとで東京都は招致機運の盛り上げに躍起になり、招致活動経費は当初の55億円を150億円に拡大しました。

 石原知事は五輪招致のため06年5月にロンドンなどに3573万円をかけて出張したのをはじめ、スイス、シンガポール、ドイツ、ポーランドなどへ出張を繰り返しました。

 区市町村のイベントに上限1000万円の補助金を4月以降だけで139回支出。9月23日には「応援パレード」などに約1億円を出し、IOC総会に向けて1度しか着ない一式30万円のスーツを50着も作りました。

 招致活動経費以外にも、商店街振興事業の予算1億円余を使って商店街に五輪フラッグを掲げさせたり、招致機運を盛り上げるためのスポーツイベントなどに多額の支出を行ったりしています。

 さらに石原都政は五輪招致を看板に、東京外郭環状道路をはじめ8〜10兆円もの巨大開発を計画し、計4000億円を基金に積み立てています。

応援ツアーも

 東京招致には都議会の自民・公明両党に加え民主党も後押しし、IOC総会には3党の都議10人が税金約1000万円をかけ応援ツアーを組みました。

 今後、招致活動への巨額の支出の妥当性が問われることになります。都はすべての情報と資料を公開するとともに、何よりも浪費をやめて4000億円の基金など財政力を都民の暮らし、福祉に使うことが求められます。(東京都・川井亮)



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