2009年9月13日(日)「しんぶん赤旗」
医療保険改革 雇用の悪化
米労組、正念場
きょうから相次ぎ大会
米国では、最大のナショナルセンター米労働総同盟産別会議(AFL・CIO、組合員1100万人)など労組関係の大会が13日から相次いで開かれます。米経済が危機に直面するもとで失業が増え、雇用環境も悪化するなか、医療保険改革や「被雇用者自由選択法」成立などの諸課題にどう取り組んでいくのかが議論の焦点です。(ワシントン=西村央)
4年に1度のAFL・CIO第26回大会は13〜17日の日程でペンシルベニア州ピッツバーグで開かれます。今大会でジョン・スウィーニー議長が引退します。
次期議長に内定したリチャード・トラムカ財政部長(書記長)は8月31日、ワシントン市内での講演で、「アメリカンドリームを享受するはずだった勤労者は、いま医療保険を失い、年金を失い、職を失い、家を失っている。耐え忍ぶにも限度を超えている」と、労働者が置かれている状況の厳しさを強調しました。
強まる改悪攻撃
傘下の全米自動車労組(UAW)は、ゼネラルモーターズ(GM)、クライスラーの経営破たんで激変に直面。労働運動が長年のたたかいで築いてきた「セーフティーネット」である医療保険・年金制度への改悪攻撃も強まっています。
医療保険のあり方をめぐっては、AFL・CIO内に公的保険による制度の一本化か、民間保険との並立かなど、加盟労組ごとの主張の違いもあり、大会での議論が注目されます。
労組結成の動きを広げるための被雇用者自由選択法についてトラムカ氏は、「たたかわずして賃上げもなし。いま必要なのは、労働組合を通じた交渉力を強めることだ」と必要性を強調。ただ現在議会で審議中の同法案には、企業側からの巻き返しの動きもあります。
座り込みで対抗
独立系の労組、米電気無線機械統一労組(UE、同3・5万人)は、AFL・CIOと同じ日程でコネティカット州ニューヘブンで第71回大会を開催します。この間、イリノイ州シカゴで、突然の解雇・工場閉鎖に工場内の座り込みで対抗し勝利するなど、各地で草の根のたたかいを繰り広げています。
被雇用者自由選択法案については、「真の医療保険改革と同時に、労組へ加入する権利の復活を」として、議会での要請活動を強めるよう呼びかけています。
2005年の大会でAFL・CIOから脱退した労組を中心とするナショナルセンター「勝利のための変革」(CTW、同600万人)連合は、個別の課題ではAFL・CIOとも共闘。「医療保険や退職条件は骨抜きにされ、破壊されようとしている」と厳しい現状をあげながら、これを打ち破る、より強固な労働運動構築を呼びかけています。
企業側の妨害で労組結成が遅れている小売最大手のウォルマートで、CTWは医療保険などの給付改善や賃上げ実現のために、労組結成を支援。この間、組織を大きく拡大させる一方で、CTW指導部内での主導権争いも顕在化するなど、矛盾もかかえています。

