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2009年8月27日(木)「しんぶん赤旗」

ホンジュラス クーデターから2カ月

大統領復職へ圧力続く

孤立深める暫定政権


 中米ホンジュラスで6月末に起きた軍事クーデターから28日で2カ月となります。国外追放されたセラヤ大統領を復帰させるよう国内外からミチェレッティ暫定政権へ圧力が強まっています。しかし、暫定政権側はセラヤ氏の復帰を拒否し続けています。(島田峰隆)


 米州35カ国が加盟する米州機構(OAS)は24、25の両日、代表団をホンジュラスに派遣しました。コスタリカのアリアス大統領が7月に提示した和解案を受け入れるよう暫定政権に要求。同案は、セラヤ氏の大統領復職や国民和解政府の樹立などを提案しています。

 しかし、暫定政権側は受け入れを全面拒否。ミチェレッティ暫定大統領は、自らの「合法性」を得るために11月に予定している総選挙について「世界が認めようと認めまいと実施する」と代表団に告げました。

 これを受けて、米国務省は25日、ホンジュラスに対するビザ発給を大幅に制限すると発表。この2カ月間に、南部共同市場(メルコスル)、南米諸国連合(UNASUR)が相次いで首脳会議を開き、暫定政権を非難しました。国際金融機関や周辺国も経済制裁を続けており、暫定政権の孤立は深まる一方です。

 報道によると、ホンジュラスではいま、病院で薬が不足するなど国民生活に影響が出ています。

 セラヤ氏の復帰を求める国民でつくる「反クーデター国民戦線」は、クーデター発生から毎日、抗議行動を続けています。24日には、首都テグシガルパでOASの説得を暫定政権が受け入れるよう求めて2千人がデモ行進しました。

 暫定政権は反対運動への弾圧を強めています。OASの米州人権委員会は21日、同日まで5日間行った現地調査の結果を発表。軍との衝突でこの2カ月間に4人が射殺され、「デモ隊に対し不均衡な武力行使が行われている」と批判しました。


 ホンジュラスのクーデター 新自由主義と対米従属からの脱却を目指す社会変革を進めるセラヤ大統領に対し、変革に反発する親米派が後押しする軍部が中心になって6月28日に起こしたクーデター。米国を含む国際社会は一致してクーデターを非難、セラヤ大統領の復職を求めています。


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