2009年8月1日(土)「しんぶん赤旗」
水俣病
特措法では救われぬ
69人追加提訴 自公民を批判
![]() (写真)すべての被害者の救済をと訴える水俣病被害者ら=31日、熊本地裁前 |
水俣病不知火患者会(大石利生会長)が国・熊本県、チッソに水俣病被害に対する損害賠償を求めている「ノーモア・ミナマタ訴訟」で31日、69人が17陣として熊本地裁に追加提訴しました。これで同地裁での原告患者数は1879人になります。
今回の提訴は、先の国会で自民党・公明党と民主党が患者切り捨て、加害企業チッソ救済の「水俣病特別措置法」を強行してから初めての追加提訴です。
提訴を前に熊本地裁前で開かれた集会で、大石利生原告団長は「これ(追加提訴)が政府への私たちの答え。いいかげんな救済では納得できない。すべての被害者が救済されるためにがんばる」と「特措法」を強行した自民、公明、民主への抗議を表明しました。
園田昭人弁護団長は「『特措法』はチッソ分社化だけで、患者の救済の中身は何もない。救済内容を行政に決めさせたら切り捨てになる。行政は過去に何度も(患者を)切り捨ててきた。裁判所での解決(司法救済)しかない」と司法救済の確立こそが全被害者の救済につながることを強調しました。
追加提訴した原告を代表してあいさつした患者(70)は、医療費が無料になる新保健手帳を返上してまで提訴したことを明らかにし、「法はできたが、これでは患者は救われない。環境省の部長は、『患者はうそをつく』かのような発言をしている。これほど患者をバカにした話はない」と語りました。
提訴後の報告集会で、日本共産党の上野哲夫衆院九州・沖縄比例予定候補(熊本1区重複)は、自公民による「特措法」強行を批判し、ともにたたかう決意を述べました。


