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2009年7月29日(水)「しんぶん赤旗」

「国民が主人公」の新しい日本を

日本共産党が総選挙政策

志位委員長が会見


 日本共産党の志位和夫委員長は28日、党本部で記者会見し、「『国民が主人公』の新しい日本を」と題する総選挙政策を発表しました。小池晃政策委員長が同席しました。主要全国紙、テレビ局など計25社が取材し、大きな注目・関心を集めました。(全文


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(写真)総選挙政策を発表する志位和夫委員長(左)と小池晃政策委員長=28日、党本部

 総選挙政策は、「自公政権を終わらせる“審判”をくだし、新しい日本の進路の“選択”を」との「国民へのアピール」と、「『国民が主人公』の新しい日本をめざす日本共産党の基本政策」からなっています。

 志位委員長は会見の冒頭、総選挙政策の表題にある「国民が主人公」というスローガンについて、「日本共産党の日本改革の方針の最も基本的な立場を示すものです」と説明。憲法では「主権在民」とされながら、現在の政治の実態は、内政では“主権財界”、外交では“主権アメリカ”となっていると強調し、「このゆがみをただして、憲法通りの『主権在民』――『国民が主人公』の日本をつくるということがひと言でいって改革の方針ですので、それを表題にしました」と述べました。そのうえで、「アピール」「基本政策」の中身を、とくに新しい提起を中心に説明しました。

 総選挙に臨む党の基本的立場を示した「アピール」は、(1)自公政権を終わらせる“審判”をくだすために全力をあげる、(2)自公政治を終わらせた後に日本が進むべき道の“選択”として、「ルールある経済社会」「自主・自立の平和外交」の二つの旗印をかかげる、(3)民主党中心の政権がつくられた際には「建設的野党」の立場で三つの仕事に取り組むことを明らかにしています。

 志位氏は会見で、「財界・大企業中心の政治」をただすうえで、(1)企業献金禁止、(2)経済財政諮問会議など財界の利益優先の政策を押しつける仕組みをなくす、(3)「年次改革要望書」など米国による経済的介入をやめさせる―以上のことの重要性を強調しました。

 「基本政策」は、大きくいって、経済・暮らし、平和・外交、民主主義・人権の3本柱で構成されています。

 志位氏は、第一の柱に関し、雇用破壊からくらしを守る方策とともに、人間らしく働くためのルールづくりの重要性を強調。社会保障では、新しい提起として、先進国では当たり前である医療費の“窓口負担ゼロ”をめざし、その第一歩として、子どもと高齢者の医療費を無料にすることを表明しました。また、安心して子育てできる社会をつくるため、児童手当の倍増、高校授業料の無償化・給付制奨学金の創設、生活保護母子加算復活などの総合的な子育て支援をすすめる立場を力説しました。

 中小企業対策では、休業補償・直接支援を含む緊急対策とともに、「中小企業憲章」をつくり抜本的支援を強化すること、地域に密着した生活・福祉型公共事業を提起。農業では、価格保障・所得補償の実現、関税など国境措置を維持・強化し「食料主権」にたった貿易ルールをつくる重要性を強調しました。地球温暖化抑止では、政府が基準年を2005年に変更したことを批判し、1990年比で30%削減する中期目標を設定するとし、環境税の導入も表明しました。

 マスメディアも相次ぎ質問し、注目したのが財源です。志位氏は、「財源というのは、数字の帳尻合わせで解決がつくものではなく、政治の根本姿勢を変えることと一体に、解決の道が生まれます」と力説。消費税増税に反対することを前提に、(1)軍事費・大型公共事業などの歳出の無駄をなくす、(2)大企業・大資産家に「能力に応じた税負担」を求める―という「責任ある財源論」を示し、そうすれば12兆円の財源が生まれ、「基本政策」に盛られた新しい提起も実施できると述べました。

 志位氏は第二の柱については、オバマ米大統領への書簡と返書などのやりとりも踏まえ、とくに地球規模での核兵器廃絶に力を注ぐと表明。核兵器廃絶を正面の主題とした国際交渉開始、来年5月のNPT再検討会議で核兵器廃絶の「明確な約束」の再確認などの課題を提起しました。日本政府の問題としては、核密約を公開・廃棄させて、名実ともに「非核の日本」をつくることの重要性を述べました。

 第三の柱、民主主義の問題について志位氏は、女性差別を一掃し、両性の平等を社会に徹底することを、重要な課題として押し出していると説明。衆院比例代表の定数削減に断固反対し、選挙制度では全国11ブロックの比例代表中心の制度への抜本改革をおこなうことも提起。いわゆる「行政改革」では、その核心として、政官財の癒着を断ち切ることの重要性を力説しました。


自公政権を終わらせる“審判”をくだし、新しい日本の進路の“選択”を

国民へのアピール(骨子)

【自公政権を終わらせる“審判”を――日本共産党はそのために全力をあげます】

【自公政治に代わる新しい政治、日本の進むべき道の“選択”を――日本共産党は二つの改革の旗印をかかげます】

1、国民のくらしと権利をまもる「ルールある経済社会」を

――人間らしく働けるルールを築きます

――くらしを支え、命と健康をまもる社会保障制度にたて直します

――消費税増税に反対、軍事費や大型開発などのムダをなくすとともに、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税を見直して、社会保障などの財源を確保します

――「財界・大企業中心」の政治をただしてこそ、国民のくらしはまもれます

――「財界・大企業にモノが言える党」が必要です

2、憲法9条を生かす自主・自立の外交で、世界とアジアに貢献する日本に

――地球上から核兵器をなくすために積極的な役割を果たします

――「核密約」を全面公開させ、「非核の日本」を実現します

――「軍事偏重」「日米同盟絶対」外交から、憲法9条にもとづいて世界の前向きの変化を促進する外交に転換します

――日米安保条約=日米軍事同盟を廃棄し、アメリカと対等・平等の関係をつくります

【日本共産党は、「国民が主人公」の新しい政治めざして「三つの仕事」をすすめます】

――国民の願いを実現する「推進者」として、積極的な提言で国政を動かします

――消費税増税、憲法改定の推進、衆院比例代表の削減など、間違った政治を許さない「防波堤」の役割を果たします

――「国民が主人公」の民主的な政権に向けた国民的な共同をすすめます

図

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