2009年7月1日(水)「しんぶん赤旗」
ホンジュラス・クーデター
暫定政権認めず
中南米諸国
中南米各国の首脳や政府代表は29日、中米ニカラグアの首都マナグアで緊急会合を開き、前日にクーデターが発生したホンジュラス情勢を討議しました。各国は、ミチェレッティ暫定大統領の政権を承認しないことで一致。いくつかの国は、セラヤ大統領の復帰まで、交易の一時停止や大使の召還などの措置を採ることを決めました。
この日開かれたのは、米州ボリバル同盟(ALBA、加盟国9カ国)、リオグループ(同23カ国)、中米統合機構(SICA、同7カ国)の各会合。ホンジュラスのセラヤ大統領、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、米州機構(OAS)のインスルサ事務総長も出席しました。
現地からの報道によると、ALBA加盟国は、セラヤ大統領が大統領職に完全復帰するまでホンジュラス駐在の大使を召還することを決定。SICAは、ホンジュラスとの陸上交易の48時間停止、あらゆる融資の即時停止、スポーツ、観光などの経済援助の中止を決めました。リオグループは、真相解明のための調査代表団をつくることで一致しました。
セラヤ大統領は演説で、「自分は国民が選んだ大統領だ」と強調し、2010年までの任期を全うする決意を語りました。7月2日にはインスルサ事務総長が同伴して、ホンジュラスへ帰国することを明らかにしました。
会議では、「21世紀の今、非合法の軍事行動で政府を倒した時代へ戻ってはならない」(エクアドル)、「いかなる国もクーデターを支持しない」(ボリビア)、「国際社会はこの種の動きを繰り返さないようにしなければならない」(ドニミカ共和国)などの発言が相次ぎました。(島田峰隆)