2009年7月1日(水)「しんぶん赤旗」
「時代の逆行望まぬ」
米大統領が批判
ホンジュラス・クーデター
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は29日、中米ホンジュラスのセラヤ大統領が軍部によって国外に追放されたクーデターについて、「クーデターは合法ではなく、セラヤ氏が依然として、民主的に選出されたホンジュラスの大統領だ」と言明しました。コロンビアのウリベ大統領との会談後、記者団に語りました。
ホンジュラスのクーデター派は、ミチェレッティ国会議長を暫定大統領に選出していますが、中南米諸国はクーデター非難で一致。オバマ政権もこの流れを支持し、暫定政権を認めない立場を明確にしました。
オバマ氏は、「もし、政権交代が民主的な選挙ではなく、軍事クーデターによって行われるという時代への後戻りとなるようなことがあれば、今回の事態は、その恐ろしい前例となるだろう」と指摘。「われわれは、暗い時代への逆行を望まない」と述べました。
その上で、「われわれは、米州機構(OAS)のような地域機構やその他の国際機関と協力し、平和的に解決する方策を探求する」と述べました。
クリントン米国務長官は同日、ホンジュラスの事態について、正式にクーデターと指定するかとの問いに、「事態はクーデターに向かって、進行している」と述べるにとどまりました。クーデターと指定すれば、同国への米国の援助の大部分が停止されることになります。
米国の歴代政権は中南米に起きた自主的、民主的な改革の動きを、しばしば右派勢力や軍部を後押ししたクーデターで転覆。2002年にはブッシュ前政権がベネズエラのチャベス大統領を追放するクーデター(未遂)を背後で支持したと批判されています。