2009年6月26日(金)「しんぶん赤旗」
イラン大統領選問題
最高指導者 「抗議行動に法的措置」
ムサビ氏妻 「合法的抗議の継続を」
【カイロ=松本眞志】イラン最高指導者のハメネイ師は24日、国営テレビで「いかなる代償を払っても圧力には屈しない」と発言し、大統領選不正疑惑をめぐって再選挙を求める抗議行動には断固とした法的措置をとると主張しました。同師は取り締まりを「法の枠内で行う」と説明していますが、国民からは平和的抗議行動を禁止すること自体が憲法違反との声もあがっています。
首都テヘランでは同日、改革派のムサビ元首相が国会周辺でのデモを呼びかけました。しかし、治安部隊が厳重な警備体制をとり、支持者の多くも弾圧を回避するために外出を控えたことから抗議集会は数百人の規模にとどまりました。
一方、改革派指導者ムサビ元首相の妻ザハラ・ラフナバルさんはウェブサイトで、「抗議する権利は憲法で保障されている」と支持者らを激励。「政府は、戒厳令が敷かれたかのようにふるまうべきではない」と合法的抗議の継続を宣言しました。カルビ元国会議長もウェブサイトで、今回の選挙結果に基づく新政権は「非合法」だとハメネイ師の発言を批判しました。
一方、マハスーリ内相はこの日、ムサビ氏支持派の暴徒は、米中央情報局(CIA)や反体制派の政治組織ムジャヒディン・ハルク(イスラム人民戦士機構=MKO)から資金支援を受けていたと非難しました。また、学生通信によると、モッタキ外相は、英国との外交関係縮小を検討中だと言明。ムサビ氏支持派の抗議行動の背後に外国の陰謀があるとの見方を改めて強調しました。

