2009年6月20日(土)「しんぶん赤旗」

問われる民主と小沢氏

西松初公判 疑惑解明に無責任対応


 西松建設違法献金事件の東京地裁初公判(19日)で被告の国沢幹雄前社長は、小沢一郎・民主党前代表側への違法献金や「天の声」にもとづく談合による公共事業受注の事実について「間違いありません」と全面的に認めました。これにより民主党と小沢氏の対応が問われることになりますが、同日午後、衆院本会議場を後にした小沢氏は、記者団の問いかけに答えることなく、振り切るように足早に去っていきました。

 これまで民主党は、「一点もやましいところはない」という小沢氏を一貫して全面的に擁護。小沢氏は世論の批判を前に党代表を辞任しましたが、同事件での引責辞任ではなく、「挙党一致のため」の辞任だと強弁してきました。

 新代表となった鳩山由紀夫氏も、疑惑解明にさえ取り組まないまま、小沢氏を筆頭代表代行という要職に据える無責任な対応をとっています。同党が「党外」に設けた「第三者委員会」も、小沢氏の「潔白」を擁護する報告書を出すにとどまっています。

 初公判で明らかにされた事実を記者会見で示された岡田克也幹事長は、起訴された小沢氏の公設秘書の裁判とは「違う裁判」であり、「党としてのコメントはない」「検察側の一方的な主張だ」などと答えました。

 しかし、違法献金を行った西松側の被告が「天の声」を含む検察側の起訴事実を認めた以上、民主党と小沢氏には、疑惑についての徹底した解明と明確な説明を行う道義的責任がいっそう強く突きつけられたことになります。

 この責任を果たさずして、「3年後の企業・団体献金禁止」などをいくら掲げても、「政治とカネ」の問題で「きちんとした姿勢を国民の前で示している」(菅直人代表代行、18日の記者会見)などと胸を張ることは到底できないはずです。(林信誠)


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