2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」

飢餓回避へ国際協調を

穀物供給 ロ大統領が提案

備蓄システム■投機規制


 ロシアのメドベージェフ大統領は6日、サンクトペテルブルクで開かれている世界穀物フォーラムで演説し、食料安定供給のため備蓄管理のグローバルなシステムづくりなど新たな国際的な対策を提案しました。(片岡正明)


 同フォーラムは、穀物生産や取引のあり方を議論しようと昨年、主要8カ国(G8)首脳会議で同大統領が提案したもので、アグリビジネス(農産物関連企業)や穀物生産国の代表などが参加しました。

 メドベージェフ大統領は穀物には実利的な市場経済、ビジネスの面ばかりでなく、飢餓などと直結する社会的側面があり、穀物生産と取引に当たっては、世界の人口の6分の1、10億人が飢え、5秒に1人の乳児が死亡している悲劇を考慮しなければならないと強調しました。

 また昨年起きた食料の高騰が、収入のほとんどを食料に費やす貧困層を直撃したと指摘。飢餓は地域の不安定化ともつながり、複雑な社会問題を起こすとし、食料高騰を阻み飢餓を防ぐために、食料供給国やアグリビジネスに統一した努力を促しました。

 具体的な対応として同大統領は、穀物市場をチェックし需要供給バランスをとる食料備蓄管理のシステムづくりや、世界の穀物市場での投機規制、2006年からロシアが加盟した国連食糧農業機関(FAO)の改革を訴えました。

 また「バイオ燃料生産が食料不足の理由であってはならない」として、食料以外からのバイオ燃料生産促進を提案しました。

 ロシアは穀物生産を増加させ穀物市場での発言力を高めており、小麦の輸出では世界第3位。今後15年に穀物50%の増産を計画しています。



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