2009年5月27日(水)「しんぶん赤旗」

賠償肩代わり6億円

公務外米兵犯罪 日本が見舞金

井上議員追及


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(写真)質問する井上哲士議員=26日、参院外交防衛委

 在日米軍人の公務外での事件・事故で、米政府が被害者に慰謝料を支払わず、代わりに日本政府が「救済措置」として見舞金を支給したケースが、一九七二年度から二〇〇八年度までに、沖縄で二十四件、約二億三千三百万円、本土で二十七件、約一億四千九百万円となっていることが分かりました。

 また、米政府が慰謝料を支払った場合でも裁判所の命じた損害賠償額に満たず、日本政府が差額を見舞金として被害者に支給したケースが一九九六年以降、沖縄で五件、約一億八千二百万円、本土で二件、約六千八百万円となっていることも分かりました。これら見舞金の総額は、六億三千二百万円に上ります。

 二十六日の参院外交防衛委員会で日本共産党の井上哲士議員の質問に対し、防衛省の井上源三地方協力局長が明らかにしました。

 在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定は、公務外で事件・事故を起こした米軍人が被害者に賠償金を支払わない場合、米政府が代わって慰謝料を出すことになっています。しかし、米側から支払われない場合、日本政府が代わって見舞金を支給することになっています。

 また、慰謝料が支払われても裁判所の命じた賠償額に満たない場合があり、九六年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告で、日本政府がその差額を支払うよう努力すると定められました。

 井上氏は「被害者の方に結果として賠償金に近いお金が渡るのは大事だ」としつつ、「本来は米兵が払うべきものであり、それができなければ米国が払うべきだ」と強調。日本政府が肩代わりしている見舞金の返還請求を米側に提起すべきだと主張しました。



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