2009年5月15日(金)「しんぶん赤旗」

たたかいこそ人間らしい
労働のルールをつくる力

労働者派遣法の抜本改正にとりくむうえで
大切なことは何か

日比谷集会 志位委員長の連帯あいさつ


 十四日、「労働者派遣法の抜本改正をめざす日比谷集会」(東京・日比谷野外音楽堂)で、日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつは次の通りです。


 みなさん、こんばんは。日本共産党を代表して熱い連帯のあいさつを送ります。

雇用破壊に反対するたたかいと一体に法改正を

写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=14日

 労働者派遣法の抜本改正にとりくむうえで、私はつぎの二つの点が大切だと思います。

 一つは、いま全国でとりくまれている「派遣切り」「期間工切り」に反対するたたかいへの連帯・支援と一体に法改正にとりくむことであります。

 この間、五千人をこえる労働者が二百数十の労働組合に結集して、企業との団交、労働局への申告、裁判闘争など、あらゆる手段をつくして立ち上がっています。

 一昨日には、宇都宮地裁で、いすゞの「期間工切り」に対して、中途解雇通告は違法、その後とられた一方的な賃金60%へのカットも違法、差額賃金支払いを命じる全面勝利判決がくだりました(「よし」の声、拍手)。これは大企業による「非正規切り」に対する初の司法による断罪であり、私は、みなさんとともにこの成果を喜びたいと思います。

 「非正規切り」は現行法に照らしても圧倒的多くが違法・無法であります。それを許さずたたかうことこそが、人間らしい労働のルールをつくる力となり、派遣法抜本改正の力となります。それは立ち上がっている労働者の共通の気持ちでもあると思います。たたかいこそルールをつくる力です。私は、全国で勇気をもってたたかいに立ち上がっているすべての仲間に、かたく連帯して、最後までたたかいぬく決意を申し上げるものです。(拍手、指笛)

「非正規切り」とのたたかいの教訓を生かした法改正を

 いま一つは、今回のような「非正規切り」を二度と許さないという立場から、派遣法改正を真に実効あるものにするということであります。

 私たちは「非正規切り」とのたたかいのなかで、現行派遣法がいかに労働者保護にとって役立たないか、いかに派遣先企業に都合のよい仕掛けかをいやというほど体験してきました。その教訓を生かした改正が必要であります。私たちは、少なくともつぎの点が必要不可欠だと考えます。

 第一に、登録型派遣は、専門業務に厳しく限定し、原則禁止にすべきです(「よし」の声、拍手)。登録型という働かせ方が、どんなに不安定なものか、どんなに残酷なものかは、「派遣切り」とのたたかいで誰の目にもはっきりしました。「一九九九年の労働者派遣法の原則自由化前に戻せ」で団結してたたかおうではありませんか。(拍手)

 第二に、製造業に対する派遣は、どんな形であれ禁止すべきです(「そうだ」の声)。今回の「派遣切り」をみても、景気が良いときには大規模に派遣に置き換え、景気が悪くなったら「調整弁」として大規模に切り捨てる、派遣労働の害悪が最も大規模に噴出しているのが製造業であります(「そうだ」の声)。いま製造業で働いている派遣労働者を直接雇用・正社員に移行する措置をとりながら、製造業への派遣は禁止だとはっきり明記することが、どうしても必要であります。(拍手)

 第三に、受け入れ企業が違法行為を行ったら、直接雇用・正社員化の義務を負う「みなし雇用」を導入すべきです。「非正規切り」とのたたかいで、偽装請負、期間制限違反、違法「クーリング」、短期・細切れ契約の反復など、現行法すら無視した違法の横行が明らかになりました。こうした無法をなくし、受け入れ企業に雇用責任を果たさせるためには、「みなし雇用」の導入が不可欠であります。(「その通り」の声、拍手)

 第四に、均等待遇のルールを確立すべきです。賃金も、有給休暇も、団体交渉権も、派遣労働者と派遣先の労働者の待遇を均等にするルールが必要です。ドイツなどこのルールがあるところでは、派遣労働者の方が受け入れ企業にとってコスト高になり、正社員に移行する仕組みとしても機能しています。日本でもしっかりした均等待遇のルールの確立をはかろうではありませんか。(拍手)

 人間が人間らしく働ける労働のルールをつくるために、最後までともにたたかう決意を表明してあいさつとします。ともに頑張りましょう。(「よし」の声、大きな拍手)


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